ホロライブ中国(ホロライブCN)は、2020年に何が起き、なぜ全メンバーが卒業することになったのでしょうか。発端として広く知られているのが、2020年9月の桐生ココ・赤井はあによるYouTubeアナリティクスの台湾表記をめぐる炎上です。カバー株式会社の対応も日本と中国のファンの間で議論を呼び、同年11月にはホロライブCNの全6名の卒業が発表されました。
2026年10月現在、ホロライブCNは当時のメンバー構成で活動を再開した状態にはなく、中国向けの独立したタレントグループとしても活動していません。ただし、騒動と全員卒業の時系列が近いことと、台湾表記問題だけが卒業の理由だったと公式に断定されていることは別です。公式発表、当時の報道、運営会社の説明を照らし合わせながら、撤退の経緯と元メンバーの現在を整理します。
【結論】ホロライブ中国はどうなった?2026年現在の状況

ホロライブ中国は、所属していた6名が全員卒業したことで、事実上の解散状態となりました。現在のホロライブプロダクションには日本や英語圏、インドネシア語圏などを対象とした展開がありますが、2020年当時のホロライブCNに相当する中国向けの独立グループは、復活していません。
ホロライブCNは、カバー株式会社が運営するVTuber事務所「ホロライブプロダクション」の中国向け展開として活動していたグループです。中国の動画配信サービスbilibiliを主な活動基盤とし、日本発のVTuber文化を中国語圏のファンに届ける役割を担っていました。
転機となったのは2020年9月です。桐生ココと赤井はあとの配信でYouTubeの視聴者データに台湾が表示されたことが問題視され、両名は3週間の活動自粛となりました。その後、カバーはホロライブCNのメンバー全員の卒業を発表し、2020年末までに6名がグループを離れています。
ここで押さえておきたいのは、ホロライブCNの終了と、カバー株式会社による海外事業全体の終了は同じ意味ではないという点です。2020年11月16日、カバー代表取締役の谷郷元昭氏は、海外事業はまだ採算が取れる状況ではないと説明する一方、VTuber文化を世界に広げる取り組みを続ける考えを示しました。
したがって、当時の中国向けタレント事業は実質的に終了したものの、会社全体が海外市場から撤退したわけではありません。また、中国本土での事業と、台湾を含むアジア地域への展開を一括りにするのも正確ではありません。
【炎上の真相】桐生ココ・赤井はあの台湾発言で何が起きたのか
炎上の直接のきっかけは、2020年9月24日の赤井はあの配信と、翌25日の桐生ココの配信でした。2人はYouTubeアナリティクスを参照し、自分たちのチャンネルを視聴しているユーザーの地域別データを紹介。その画面に「台湾」が表示されたことが、中国の視聴者を中心に批判を呼びました。
問題の中心は、台湾を独立した国として扱っているように受け取られた点にあります。中国政府は台湾を中国の一部とする「一つの中国」の立場を掲げており、中国本土では台湾を国家と同列に扱う表現が政治的な問題になり得ます。日本のファンの一部からは、配信者がプラットフォーム上の統計表示を紹介したにすぎないという見方も出ました。
つまり、この騒動は単純な発言の失言だけでは説明できません。プラットフォームが表示する地域データ、台湾をめぐる政治的立場、中国語圏と日本語圏の受け止め方の違いが重なり、配信上の出来事が国際的な論争へと発展したのです。
カバー株式会社の対応が新たな批判を招いた理由
カバー株式会社は2020年9月27日、両名が配信中に機密情報であるチャンネル統計データを公開し、一部地域の視聴者への配慮に欠ける言動があったとして、3週間の活動自粛を発表しました。ITmedia NEWSなどの当時の報道によれば、会社は再発防止のための指導も行うと説明しています。
ところが、会社の説明そのものも論争の対象となりました。bilibiliに掲載された中国向けの声明では、中国の主権と領土保全を尊重し、「一つの中国」の原則を支持する立場が示されました。一方、日本語圏では、中国向けの声明の内容や、日本向けの説明との違いが批判を集めました。
2020年9月30日、カバーは日本と中国で説明に食い違いがあり、混乱を招いたことについて謝罪しました。中国側の反発を抑えようとする対応が日本のファンの反発も招き、異なる政治的・社会的背景を持つファンコミュニティの間で、会社がどのような立場を取るべきかという問題が表面化したのです。
なお、桐生ココは2021年7月1日にホロライブを卒業しています。ただし、2020年の台湾表記問題と翌年の卒業を同一の理由によるものと断定することはできません。卒業時の公式発表と、2020年の炎上に関する発表は分けて理解する必要があります。
【時系列で整理】ホロライブCN全6名の卒業と中国展開終了まで
ホロライブCNの全員卒業は、一度の発表ですべてが決まったわけではありません。カバー株式会社は2020年11月12日に5名の卒業を発表し、同月16日に黒桃影(Spade Echo)の卒業と一部日程の変更を告知しました。その後、メンバーは11月から12月にかけて順次卒業しています。
以下は、カバー株式会社の公式発表と当時の報道をもとに整理した主な経緯です。
| 時期 | 出来事 | 確認できる内容 |
|---|---|---|
| 2019年 | ホロライブCNの活動開始 | 中国語圏向けのグループとして展開。bilibiliを主な活動基盤とした。 |
| 2020年3月 | 2期生が活動を開始 | Doris、Artia、Rosalynが加わり、計6名の体制となる。 |
| 2020年9月24日・25日 | 赤井はあと・桐生ココの台湾表記問題 | YouTubeアナリティクスの地域データを紹介した配信が批判を集める。 |
| 2020年9月27日 | カバーが3週間の活動自粛を発表 | 統計情報の公開と地域への配慮をめぐり、両名への指導を公表。 |
| 2020年9月30日 | 会社が説明の食い違いを謝罪 | 日本と中国向けの説明の違いが新たな議論を呼んだ。 |
| 2020年11月12日 | 5名の卒業を発表 | Civia、Artia、Yogiri、Doris、Rosalynの卒業予定を告知。 |
| 2020年11月16日 | 6名全員の卒業が明らかに | Spade Echoの卒業と、Artiaの卒業日変更を発表。 |
| 2020年11月〜12月 | メンバーが順次卒業 | 11月18日のCiviaから12月27日のRosalynまで、全員が活動を終了。 |
| 2026年10月 | ホロライブCNの現状 | 当時の6名によるグループの活動再開は確認されていない。 |
卒業日は、Civiaが2020年11月18日、Artiaが11月19日、Spade Echoが11月21日、Yogiriが12月20日、Dorisが12月26日、Rosalynが12月27日です。公式発表では当初の日程から一部変更があり、最終的にはこの日程で全員の卒業が告知されました。
ここで重要なのは、全員卒業が公式に発表されたことと、カバーが「台湾表記問題だけを理由に中国事業を撤退する」と明言したことは別だという点です。公式発表は卒業するメンバーと日程を伝えていますが、6名それぞれの卒業理由を一律に説明したものではありません。
【歴代メンバー一覧】ホロライブCNの1期生・2期生は誰だった?
ホロライブCNは、1期生3名と2期生3名の計6名で構成されていました。中国語の活動名と英語表記が併用されていたため、日本語のファンコミュニティでは複数の名前が使われることがあります。
ホロライブCN 1期生
夜霧(Yogiri)は、ホロライブCNの初期メンバーの一人です。2020年12月20日に卒業しました。
希薇婭(Civia/シビア)は、1期生として活動したメンバーです。卒業日は2020年11月18日で、全6名の中では早い時期に活動を終了しました。
黒桃影(Spade Echo/スペード・エコー)も1期生です。2020年11月16日の追加発表で卒業が告知され、同月21日に活動を終了しました。当初の5名の卒業発表に名前が含まれていなかったため、全員卒業が確定するまでの経緯を語る際に重要なメンバーです。
ホロライブCN 2期生
朵莉丝(Doris/ドリス)は、2020年3月に活動を始めた2期生の一人です。卒業日は2020年12月26日でした。
阿媂娅(Artia/アティア)も2期生です。当初の卒業予定から日程が変更され、最終的には2020年11月19日に卒業しました。
罗莎琳(Rosalyn/ロサリン)は2期生の一人で、2020年12月27日に卒業しました。ホロライブCNのメンバーとしては、告知された日程上、最後に卒業した人物です。
6名は中国語圏の視聴者を対象に活動していましたが、卒業後の進路はホロライブCNの公式発表だけでは一括して把握できません。卒業日は公式資料で確認できる一方、その後の活動名や配信先は各人の発信や個別の記録をもとに確認する必要があります。
【撤退理由を分析】台湾表記問題だけでは説明できない中国市場の難しさ
ホロライブCNの終了を理解するには、炎上の影響だけでなく、中国市場でVTuber事業を継続するうえでの構造的な難しさも考える必要があります。カバー株式会社の当時の説明と運営環境からは、少なくとも次の3つの論点が見えてきます。
1.政治的な争点が配信活動に直結するリスク
台湾表記問題が示したのは、配信者が政治的な主張を意図していなくても、プラットフォームの表示や何気ない説明が政治的な意味を持つ場合があるということです。国や地域の表記、歴史認識、領土に関する問題は、市場によって受け止め方が大きく異なります。
VTuberの配信は、台本どおりに進む映像作品とは異なり、リアルタイムの会話や画面共有が中心です。配信者本人だけでなく、運営会社にも、プラットフォームの仕様や現地の社会的背景を理解したリスク管理が大切です。
2.日本と中国で異なる説明を行う難しさ
2020年9月のカバーの対応では、中国向けの声明に盛り込まれた政治的な立場が、日本語圏で批判の対象になりました。中国側の反発を抑えるための説明が、日本側のファンには異なるメッセージとして受け止められたのです。
多言語で事業を展開する場合、翻訳だけでなく、声明の内容、説明の順序、発表する場所、各地域のファンへの伝え方まで一貫性を保つ必要があります。この騒動では、同じ問題について地域ごとに異なる受け止め方が生まれ、運営会社の説明責任が問われました。
3.海外事業の採算性と運営体制
2020年11月16日、谷郷元昭氏はホロライブ中国について説明し、海外事業はまだ採算が取れる状況ではないとしたうえで、海外展開を継続する意向を示しました。また、海外で活動する際には、その地域の人々の気持ちに配慮する必要があるという認識も示しています。
この説明から読み取れるのは、中国市場への展開が政治的な問題だけでなく、採算性や現地の事情に対応する運営体制とも関係していたことです。ただし、採算性に関する発言だけで、ホロライブCNの全員卒業が決定された理由まで説明できるわけではありません。
つまり、中国市場撤退の実態は、台湾表記問題が大きな転機となるなかで、現地での活動継続が難しくなり、所属タレント全員の卒業とグループの終了に至ったというものです。個々の卒業理由と、グループ全体が活動を終えた背景は、分けて捉える必要があります。
【元メンバーの現在】ホロライブCNの転生先は?2026年の活動状況
ホロライブCNの元メンバーについては、卒業後に別名義で配信活動を続けているのではないか、という情報がファンコミュニティで話題になることがあります。VTuberはアバターや活動名を変更して再出発できるため、卒業後の動向に関心が集まりやすい分野です。
ただし、以前の活動名と現在の配信者を結び付ける情報には、本人が公表したもの、信頼できる報道で確認されたもの、ファンによる推測が混在しています。外見や声、配信スタイルが似ているという理由だけでは、同一人物だと断定できません。
卒業後の状況を確認する際のポイント
- 本人による公表:卒業後の活動名や新しいチャンネルを本人が明示しているか。
- 継続的な活動記録:新しい名義での配信や投稿が継続して確認できるか。
- 公式情報との区別:カバー株式会社の発表で確認できる卒業情報と、第三者が推測した転生先情報を混同していないか。
2026年現在、ホロライブCNの6名が同じグループとして活動を再開したという公式発表は確認されていません。一方、卒業後の個人活動については、全員の現在の名義や活動状況を一つの公式資料で全体できるわけではありません。
そのため、「元ホロライブCNの全員が引退した」「6名全員が別のVTuberとして活動している」といった一律の説明は正確ではありません。卒業によって確定しているのは、ホロライブCNでの活動が終了したことです。その後の活動は、各人について個別に確認する必要があります。
【プロの結論】2026年のホロライブ中国問題から読み解く海外展開の現在
ホロライブCNの終了から得られる教訓は、海外展開では人気や視聴者数だけで事業の継続性を判断できないということです。ファンが多い市場であっても、政治的な対立、配信プラットフォームの規約、情報発信の方法、現地運営のコストが重なれば、事業の継続は難しくなります。
カバー株式会社はその後も海外展開を続けています。2025年3月期の有価証券報告書では、海外地域向けVTuberのYouTubeチャンネル登録数が全体の35%を占めると説明されていました。加えて、2026年3月期の事業資料では、海外イベントやライセンス展開を含むグローバル戦略が示されています。これらは、ホロライブCNの終了が海外事業全体の終了を意味しなかったことを裏付けています。
一方、海外展開の継続と、中国本土でホロライブCNを再始動することは別の話です。2026年10月現在、ホロライブCNの復活や当時の6名による再結成を示す公式発表は確認されていません。過去の活動実績や元メンバーの動向に関する情報を探す際は、当時の公式発表と現在の個人活動を区別することが大切です。
ホロライブ中国の一件は、VTuberが国境を越えて人気を獲得する可能性と、国境を越えるからこそ生じる難しさを同時に示しました。問題の発端となった台湾表記、運営会社の説明、全員卒業という結果を一つの原因だけで片付けず、それぞれの出来事と事業上の背景を分けて見ることが、騒動の全体像を理解する近道です。
【ホロライブ中国どうなった】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ホロライブ中国はなぜ解散したのですか?
A1:2020年9月の桐生ココ・赤井はあとの台湾表記問題と、その後のカバー株式会社の対応が大きな転機となりました。2020年11月に全6名の卒業が発表され、同年12月までに全員が活動を終了しています。ただし、公式発表は台湾表記問題だけを全員卒業の唯一の理由と断定していません。
Q2:ホロライブCNのメンバー6名は誰ですか?
A2:1期生は夜霧(Yogiri)、Civia(シビア)、黒桃影(Spade Echo)の3名です。2期生はDoris(ドリス)、Artia(アティア)、Rosalyn(ロサリン)の3名で、合計6名でした。
Q3:ホロライブCNの元メンバーは現在どこで活動していますか?
A3:卒業後の活動状況はメンバーごとに異なります。全員の現在の名義や配信先をまとめた公式一覧はなく、ネット上で転生先とされるアカウントも、本人の公表などで確認できる情報と推測を区別して見る必要があります。
Q4:ホロライブは中国市場から完全撤退したのですか?
A4:少なくとも、当時のホロライブCNという中国向けタレントグループは全員卒業によって終了し、2026年現在も復活は確認されていません。ただし、カバー株式会社は海外事業全体を継続しており、中国向けグループの終了と海外展開全体の終了は同じではありません。
Q5:桐生ココと赤井はあとは台湾について政治的な発言をしたのですか?
A5:騒動の直接のきっかけは、YouTubeアナリティクスの視聴者地域データを配信で紹介した際に台湾が表示されたことでした。カバーは統計情報の公開と地域への配慮を問題として3週間の活動自粛を発表しました。騒動を理解するには、配信で紹介されたデータと、それに対する政治的な受け止め方を区別する必要があります。
まとめ:ホロライブ中国の現在と今後の動向を見極めるポイント
ホロライブ中国は、2020年9月の台湾表記問題をめぐる炎上、その後のカバー株式会社の対応を経て、同年11月から12月にかけて全6名が卒業し、事実上の解散に至りました。2026年10月現在、当時のグループが復活したという公式発表はありません。
一方、騒動の影響が大きかったことと、全員卒業の理由が台湾表記問題だけだったと断定できることは別です。運営会社が説明した海外事業の採算性や、現地の文化・政治的事情への対応も、当時の状況を理解するうえで欠かせない。
元メンバーの現在や転生先を調べる際は、卒業日のように公式発表で確かめられる情報と、本人の公表がない推測を区別が必要です。ホロライブCNの歴史を正確に理解するには、炎上の印象だけでなく、公式発表、当時の報道、海外事業のその後をあわせて見る必要があります。