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ホロライブ中国撤退と中国の反応は?台湾発言騒動から2026年の再進出まで徹底解説

橘 昂 橘 昂 • 更新: • 公開: • 読了約 21 分
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2020年9月、VTuberグループ「ホロライブ」を運営するカバー株式会社は、桐生ココと赤井はあとの配信をめぐる騒動に対応し、両名の活動を3週間自粛させると発表しました。YouTubeアナリティクスに表示された「台湾」の扱いが中国の視聴者の反発を招き、運営会社の声明そのものも日本語圏や海外のファンから批判を受ける事態に発展。その後、ホロライブCNのメンバー全員が卒業し、中国での従来型の事業展開は大きな転換点を迎えました。

ただし、2026年現在のホロライブと中国の関係は、単純な「完全撤退」という言葉だけでは説明できません。2023年にはbilibiliの公式チャンネルが再び更新され、2024年には同プラットフォーム主催のイベントへの出演が実現。さらに2026年には上海で公式コラボのポップアップイベントが開催されています。過去の炎上の経緯、中国側の反応、ホロライブCN解散の背景、そして現在の中国市場との関係を時系列で整理します。

【撤退の理由】ホロライブ中国騒動はなぜ起きたのか

ホロライブ中国撤退中国の反応

ホロライブの中国撤退を理解するには、2020年9月の炎上だけでなく、それ以前の中国市場への進出と、現地プラットフォームに依存した事業構造を押さえる必要があります。

2019年から始まったbilibiliとの本格展開

カバー株式会社は2019年1月、中国の動画プラットフォーム「bilibili」を運営する上海寛娯数碼科技有限公司との正式契約を発表しました。VTuber事務所として初めての正式契約と説明され、所属タレント14人と公式チャンネルの計15チャンネルを開設。YouTube動画への中国語字幕の追加、同時配信、bilibili独自の動画投稿、視聴者からの投げ銭などを通じ、中国のファンとの接点を広げる計画でした。

同年9月には中国向けグループ「ホロライブ中国」、通称ホロライブCNが展開を開始。1期生の夜霧(Yogiri)、希薇娅(Civia)、黒桃影(Spade Echo)に続き、2020年には2期生のDoris、Artia、Rosalynが活動を始めました。

当時のbilibiliは、単に動画を転載する場所ではありませんでした。中国語圏の視聴者が集まり、コメントや投げ銭を通じてタレントと交流するための主要な窓口でした。一方、日本のファンが主に利用するYouTubeと、中国のファンが利用するbilibiliでは、プラットフォームの運営環境、社会的な受け止め方、政治的な話題に対する感度が異なります。

同じ配信を複数の国・地域に届けるビジネスでは、ある市場で通常のデータ紹介として受け止められる内容が、別の市場では政治的な意思表示と解釈されることがあります。ホロライブの騒動では、この違いが一気に表面化しました。

【2020年9月の真相】桐生ココ・赤井はあとの台湾発言騒動

YouTubeアナリティクスの表示が炎上につながった

直接の発端は、2020年9月24日の赤井はあとの配信と、翌25日の桐生ココの配信でした。両名は自身のYouTubeチャンネルの視聴者データを紹介し、視聴者の多い国・地域を示す情報の中に「台湾」が表示されたことで、中国の視聴者から批判を受けました。

中国政府は台湾を中国の一部と位置付けており、「一つの中国」の原則を重視しています。そのため、中国の視聴者の一部は、台湾をほかの国と並べて紹介する配信を、台湾を独立した国家として扱う行為だと受け止めました。

ここで重要なのは、騒動の中心にあったのが、YouTubeアナリティクスという視聴者データの表示と、それを配信で紹介した行為だったことです。カバー株式会社は当時、統計データの開示と、一部地域の住民への配慮に欠けた言動を問題として説明しました。一方、両名が意図的に政治的な主張を行ったと会社が認定したわけではありません。公式説明では、本人たちの意図しない状況だったという趣旨も示されています。

9月27日、カバー株式会社が3週間の活動自粛を発表

カバー株式会社は2020年9月27日、両名の活動自粛を発表しました。問題視されたのは、機密情報に当たるYouTubeチャンネルの統計データの開示と、一部地域の住民への配慮に欠ける発言です。発表では、両名が3週間にわたりタレント活動を自粛することが明らかになりました。

騒動は配信者本人への批判だけでは終わりませんでした。会社は9月30日の追加説明で、所属タレントに対する誹謗中傷や生命・身体を脅かす書き込みが大量に発生し、該当動画の配信停止や削除を行っても状況が改善しなかったと説明しています。つまり、運営側にとっては、発言内容への対応に加え、タレントや関係者の安全を確保するという問題も生じていました。

この時点で、騒動は一人のVTuberの発言をめぐる問題から、国際的な視聴者を抱える事務所が政治的な対立と安全上のリスクにどう対応するのか、という経営問題へと広がっていったのです。

【中国の反応】批判の拡大と運営会社の声明が招いた二次炎上

中国の視聴者から広がった反発とボイコットの動き

中国側の反応は、台湾をめぐる政治的な立場と、タレントの発言をどう評価するかという問題に集中しました。中国の視聴者の一部は、両名の配信を問題視し、bilibiliやSNS上で抗議や批判を展開。タレントの配信権限をめぐる措置や、ホロライブ全体へのボイコットを求める動きも報じられました。

当時の台湾メディア「Taipei Times」は、カバー株式会社が公表した声明に関連して、二つの声明に寄せられたコメントが合計180万件を超えたと報道しています。これは騒動が一部のファンコミュニティだけにとどまらず、広範なネット上の論争になったことを示す数字です。ただし、コメントの多さだけで、中国の視聴者全体が同じ立場だったと判断することはできません。

中国語圏のファンの中にも、政治的な問題を重視する人、タレントの活動継続を望む人、運営会社の対応を批判する人など、異なる立場がありました。「中国の反応」を一枚岩の世論として扱うと、騒動の実態を見誤ります。

中国向けの「一つの中国」支持声明が日本語圏でも問題に

二次炎上の大きな原因となったのは、カバー株式会社が日本向けと中国向けに異なる内容の声明を公表したことです。

中国向けの声明では、中国の主権と領土保全を尊重し、「一つの中国」の原則を支持する趣旨が示されました。一方、日本向けの声明では、主に機密情報の開示や一部地域への配慮に欠けた言動について説明していました。この違いが明らかになると、日本語圏や海外のファンからも、運営会社の姿勢や説明の一貫性を疑問視する声が上がりました。

カバー株式会社は9月30日の追加説明で、日本向けと中国向けの発表内容に齟齬があったことを認め、混乱を招いたとして謝罪しました。中国現地の協力会社と協議し、タレントや社員の安全を守るためには、問題となった言動に強く言及する声明が必要だとの指摘を受けたと説明しています。

同社は再発防止に向け、コンプライアンス委員会の設置なども決定しました。公式説明から読み取れるのは、中国市場をめぐる政治的な圧力だけではなく、緊急時の情報発信が国・地域ごとに分かれた結果、グローバル企業としての信頼にも影響が及んだという構図です。

この問題を「中国に謝罪したから撤退した」とだけ捉えるのは不十分です。タレントの安全、現地での事業継続、政治的な反発、世界各地のファンへの説明責任という複数の課題が、同時に運営会社へ突き付けられていました。

【ホロライブCN解散の経緯】6人の卒業と中国事業の転換点

騒動から約1か月半後の2020年11月12日、カバー株式会社はホロライブCNのメンバー5人の卒業を発表しました。11月16日には黒桃影(Spade Echo)の卒業も発表され、所属する6人全員がグループを離れることになりました。卒業は11月から12月にかけて順次行われ、ホロライブCNは実質的に解散する形となりました。

カバー株式会社の発表はメンバーの卒業日を案内するもので、撤退の理由を単一の要因に限定して説明したものではありません。ただし、台湾発言騒動の後に中国側で反発が広がり、従来の中国向け活動を継続することが難しくなった時期と重なっていることから、両者はホロライブの中国事業を考えるうえで切り離せない出来事です。

ホロライブ中国騒動の時系列まとめ

時期 出来事 意味・影響
2019年1月 カバー株式会社がbilibiliとの正式契約を発表 中国のファン向けに動画、配信、投げ銭などの展開を開始
2019年9月 ホロライブCNが中国向けに展開 中国の現地ファンに向けた専属グループを運営
2020年3月 ホロライブCNの2期生がデビュー 中国向けグループの活動が拡大
2020年9月24〜25日 赤井はあと、桐生ココがYouTubeアナリティクスを紹介 台湾の表示をめぐり、中国の視聴者から反発が広がる
2020年9月27日 カバー株式会社が両名の3週間の活動自粛を発表 騒動が運営会社の公式対応へ発展
2020年9月30日 日本向けと中国向けの声明の違いについて追加説明 説明の齟齬を謝罪し、再発防止策を公表
2020年11月12〜16日 ホロライブCNの6人全員の卒業を発表 中国向け専属グループの実質的な解散へ
2023年8月 bilibiliのホロライブ公式チャンネルが動画を更新 中国との接点が再び注目される
2024年7月 ホロライブのタレントがbilibili主催イベントに出演 中国本土での公式イベント活動が実現
2026年8〜9月 上海で公式コラボのポップアップイベントを開催 中国本土でのライセンス商品展開が確認できる

この時系列で注目したいのは、ホロライブCNの卒業と、ホロライブというブランド全体の海外展開が同じ意味ではないことです。カバー株式会社は2020年11月の谷郷元昭代表の説明でも、海外事業に取り組む姿勢を示していました。中国向けグループの終了は、中国以外の地域を含めた海外戦略そのものを断念したという意味ではありません。

【2026年最新】ホロライブと中国の関係、再進出は始まったのか

2026年現在の状況を判断するには、bilibiliの公式チャンネル更新、イベント出演、物販展開、現地での定期的な配信事業を分けて考える必要があります。これらは同じ「中国進出」に見えても、必要な運営体制やリスクが異なります。

2023年:bilibiliの公式チャンネルが再び更新

2023年8月、長期間更新が止まっていたホロライブのbilibili公式チャンネルで、公式動画「ホロライブ小劇場」が再び公開されました。中国語字幕付きの動画が投稿されたことで、中国のファンの間でも話題になり、ホロライブが中国市場へ戻るのではないかという見方が広がりました。

ただし、公式チャンネルへの動画投稿は、ホロライブCNの再結成や中国向けライブ配信の全面再開を意味しません。動画を掲載することと、現地で専属タレントを運営し、継続的に配信・収益化を行うことは、事業上の条件が大きく異なります。

2024年:bilibili主催イベントに出演する一方、配信中止も

2024年7月には、ホロライブ所属タレントが上海で開催された「Bilibili World 2024」や「BILIBILI MACRO LINK 2024」に出演しました。公式に発表されたイベント参加であり、ホロライブとbilibiliの関係が完全に途絶えたわけではないことを示す動きでした。

一方、同年5月に予定されていた夏色まつりのbilibili限定配信は、公式告知で「制作上の原因」により一時中止とされました。これも重要な区別です。中国でイベントに出演できることと、個人のライブ配信を安定的に再開できることは同じではありません。

イベント出演や公式チャンネルの更新があったからといって、その時点で中国市場への全面復帰が確定したと解釈するのは早計です。実際の事業形態を確認することが、再進出をめぐる情報を見極めるうえで欠かせない。

2026年:上海で公式ポップアップイベントを開催

2026年には、カバー株式会社が公式に発表した「SUNRISEPOP × hololive production」のコラボイベント「holonatsu Paradise」が、8月30日から9月9日まで上海のBailian ZX Creative Centerで開催されました。大空スバル、兎田ぺこら、不知火フレア、白銀ノエル、宝鐘マリン、こぼ・かなえる、森カリオペのビジュアルを用いた商品などが展開され、上海限定の記念グッズも用意されました。

これは、中国本土でホロライブの公式ライセンス商品を扱うコラボイベントが実施されたことを示しています。その意味で、「ホロライブは2020年以降、中国との接点を一切持っていない」という説明は、2026年の状況には当てはまりません。

しかし、同イベントはポップアップ形式の物販企画です。ホロライブCNの再結成、中国向けの専属タレント運営、bilibiliでの定期的なライブ配信が全面的に復活したことを示す発表ではありません。

したがって、2026年のホロライブと中国の関係は、公式イベントや商品展開など、形を限定した接点が存在する一方、従来型の中国向け配信事業がそのまま復活したわけではないと整理するのが適切です。

中国市場への再進出を判断する3つの基準

再進出の可能性を考える際には、次の3点を確認すると、単なる噂と実際の事業展開を区別しやすくなります。

  • 公式発表の内容:カバー株式会社が中国向け配信、専属グループ、現地法人などについて具体的な発表を行っているか。
  • 活動の継続性:単発のイベントや動画投稿にとどまらず、定期配信や継続的なコンテンツ展開が行われているか。
  • 事業の実態:現地向けの商品販売、ライセンス契約、配信運営など、どの領域で活動が再開しているのかが明確か。

この基準に照らすと、2026年の上海イベントは中国本土での公式商品展開を示す確かな動きです。一方で、それだけを根拠にホロライブCNが復活すると判断することはできません。再進出の可能性は残されているものの、その形は過去の専属グループ運営と異なるものになる可能性があります。

【ホロライブCNメンバーの現在】卒業後の活動とネット上の誤解

ホロライブCNに所属していた6人は、2020年11月から12月にかけて卒業しました。対象となったのは、夜霧(Yogiri)、Civia、Doris、Artia、Rosalyn、黒桃影(Spade Echo)です。公式発表で確認できるのは、それぞれの卒業と、ホロライブCNを離れるまでの経緯です。

卒業後の活動については、各メンバーがそれぞれの道を歩むことになります。ただし、卒業後に使用する名義や活動先について、本人による公表と確かな裏付けがないまま、別の配信者と同一人物だと断定するのは適切ではありません。ネット上の推測だけを根拠に、現名義や活動歴を結び付ける情報には注意が必要です。

よくある3つの誤解

誤解1:中国のファンは全員がホロライブを拒絶した。
騒動当時は強い批判やボイコットの動きがありましたが、2023年の公式チャンネル更新や2024年のイベント出演が注目を集めたことからも、中国語圏のファンの関心や態度を一つにまとめることはできません。

誤解2:2020年の台湾発言だけが、すべての撤退理由だった。
台湾発言騒動は直接の転換点でしたが、実際には中国側の反発、タレントへの脅迫的な書き込み、日中で異なる声明を出したことによる信頼問題、現地事業を維持する難しさなど、複数の要因が重なりました。

誤解3:bilibiliに動画が投稿されれば、中国事業は完全復活した。
動画投稿、イベント出演、商品販売、定期配信、専属グループの運営は、それぞれ異なる事業形態です。2026年の上海での公式イベントは中国との接点を示しますが、ホロライブCNの再結成や中国向けの従来型配信事業の全面再開とは区別する必要があります。

ホロライブ中国撤退の歴史を正しく理解するには、SNS上の反応だけでなく、カバー株式会社の公式発表、実際に開催されたイベント、配信の継続状況を照らし合わせることが大切です。

【ホロライブ中国撤退と中国の反応】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:ホロライブが中国から撤退した直接の理由は何ですか?
A1:2020年9月の桐生ココ・赤井はあとの台湾発言騒動が大きな転換点でした。YouTubeアナリティクスのデータをめぐって中国の視聴者から反発が広がり、タレントへの誹謗中傷や脅迫的な書き込みも発生。運営会社の対応をめぐる国際的な批判も重なり、同年末にはホロライブCNのメンバー全員が卒業しました。

Q2:ホロライブCNのメンバーは全員卒業したのですか?
A2:はい。2020年11月12日に5人の卒業が発表され、11月16日には黒桃影(Spade Echo)の卒業も発表されました。これにより、ホロライブCNに所属していた6人全員がグループを離れることになりました。

Q3:2026年現在、ホロライブは中国に再進出していますか?
A3:中国本土での公式活動という意味では、2024年のbilibili主催イベントへの出演や、2026年の上海での公式ポップアップイベント開催が確認できます。ただし、これらはホロライブCNの復活や、中国向けの定期配信事業の全面再開とは異なります。再進出の状況を判断する際は、活動の種類と継続性を分けて確認する必要があります。

まとめ:【プロの結論】撤退の歴史から2026年の中国展開を読み解く

ホロライブ中国撤退の背景には、2020年9月の桐生ココ・赤井はあとの台湾発言騒動だけでなく、政治的な対立、プラットフォームごとの運営環境の違い、タレントの安全確保、そして運営会社の危機対応という複数の問題がありました。日本向けと中国向けで異なる声明を公表したことは、事態を収束させるための緊急対応であると同時に、グローバルなファンとの信頼関係を揺るがす結果にもつながりました。

その後、ホロライブCNの6人は全員卒業しましたが、ホロライブというブランドと中国との接点が永続的に消えたわけではありません。2023年のbilibili公式チャンネル更新、2024年のイベント出演、2026年の上海での公式コラボイベントは、中国市場との関係が限定的な形で再び動いていることを示しています。

ただし、公式イベントの開催と、ホロライブCNの再結成や中国向け配信事業の全面復活は別の話です。今後の動向を見極めるには、単発の話題やSNSの推測ではなく、カバー株式会社の公式発表、実際の配信実績、継続的な事業展開の有無を基準にする必要があります。

最も要点は、2020年の撤退を単なる炎上の結果として片付けず、国際的なファンビジネスにおける政治的リスク、危機管理、情報発信の一貫性という課題として捉えることです。2026年の中国との接点は、過去と同じ形での全面復帰ではなく、公式イベントや商品展開などを通じた新たな関係のあり方を考える材料となっています。

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橘 昂
コンテンツディレクター 橘 昂
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スポーツの試合結果と選手情報を担当。リーグ公式の記録と球団・チームの発表を照合し、数字は一次資料の値のみを使います。

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