2026年のバレーボール男子日本代表は、国際大会で存在感を示す一方、若手の育成とチーム全体の底上げという次の課題にも向き合っている。7〜8月のバレーボールネーションズリーグ(VNL)では4位に入り、9月のアジア男子バレーボール選手権ではイランを破って優勝。加えて、2028年ロサンゼルス五輪の男子出場権を獲得した。
一方、9月末から10月初めに行われた愛知・名古屋2026アジア競技大会では、若手を中心とするチームが決勝に進出し、イランに敗れたものの銀メダルを獲得している。この記事では、2026年度の代表登録メンバー、背番号・身長・所属チーム、VNLの結果、FIVB世界ランキング、歴代メンバーとの違い、そして「全日本男子バレーボールチーム」から名称が変わった経緯まで整理する。
【2026年最新】男子日本代表の成績・大会日程を総整理

2026年の男子日本代表を評価するうえで、まず押さえたいのは、VNL、アジア男子選手権、アジア競技大会という3つの大会がそれぞれ異なる意味を持っていたことだ。
日本バレーボール協会(JVA)の2026年度男子日本代表スケジュールによると、Aチームは春の国内合宿を経て6月にVNLへ参戦。7月には大阪大会、8月初めにはVNLファイナルラウンドを戦い、9月には福岡県北九州市でのアジア男子選手権、続いて愛知・名古屋2026アジア競技大会に臨んだ。
- 6月10〜14日:VNL第1週・中国の臨沂
- 6月24〜28日:VNL第2週・フランスのオルレアン
- 7月15〜19日:VNL第3週・大阪大会
- 7月29日〜8月2日:VNLファイナルラウンド・中国の寧波北侖
- 9月4〜13日:アジア男子バレーボール選手権・福岡大会
- 9月27日〜10月3日:第20回アジア競技大会・愛知・名古屋
2026年9月13日のアジア男子選手権決勝では、日本がイランにセットカウント3対0で勝利した。スコアは25対21、26対24、25対23。日本はアジア王者の座を獲得し、ロサンゼルス2028五輪の男子出場権も手にした。
この優勝は単なる大会タイトルではない。五輪出場権を早期に確保できたことで、今後の代表強化を、出場権獲得のための戦いだけでなく、五輪本番で勝ち上がるためのチームづくりへと進められる。2026年は、その転換点となったシーズンだ。
【VNL2026と世界ランキング】日本は本当に世界4位なのか
2026年の男子日本代表をめぐって、特に混同されやすいのが「VNLの最終順位」と「FIVB世界ランキング」だ。両者は関連しているものの、同じ順位ではない。
JVAが公表したVNL2026の最終順位では、日本は4位。ファイナルラウンドの準々決勝で中国を3対1で下した後、準決勝でアメリカに2対3で敗れ、3位決定戦でもスロベニアに1対3で敗れた。優勝はポーランド、準優勝はアメリカ、3位はスロベニアだった。
JVAの2026年10月20日のシーズン総括では、ロラン・ティリ監督がVNLでの13連勝を成果として挙げている。長い連勝を積み重ね、ファイナルラウンドでも準決勝まで進んだことは、世界の強豪と互角に戦える力を示した。
ただし、VNLで4位だったからといって、FIVB世界ランキングも4位とは限らない。2026年10月初旬に公表された男子世界ランキングでは、日本は352.70ポイントで5位。4位は358.60ポイントのアメリカだった。
FIVB世界ランキングは、対象となる国際大会の試合結果などを反映して変動する。大会の最終順位と世界ランキングは別々に確認する必要がある。「世界ランキング4位」という情報を見かけた場合は、いつ時点の順位なのか、VNLの順位と取り違えていないかを確認したい。
それでも、世界ランキング5位は十分に高い位置だ。日本は上位国の一角にいるが、ランキング上の評価を五輪でのメダル獲得につなげるには、アメリカやポーランドなどとの大一番で勝ち切る力が問われる。
【男子日本代表メンバー一覧2026】背番号・身長・所属チーム
2026年度のJVA男子日本代表登録メンバーには、石川祐希、西田有志、髙橋藍らの主力だけでなく、大学生や高校生を含む若い選手も名を連ねている。JVAの年度登録ページに掲載された選手は36人で、試合ごとに登録される大会メンバーとは人数が異なる。
以下は、2026年度の登録情報を基にした一覧だ。背番号は2026年アジア男子選手権の登録番号を示し、同大会のメンバーに入っていない選手は「—」とした。背番号は大会ごとに異なる場合があるため、年間を通して固定された番号と考えないようにしたい。身長・所属チームはJVAの2026年度登録情報に基づく。
| ポジション | 選手名 | 背番号 | 身長 | 所属チーム |
|---|---|---|---|---|
| オポジット | 西田有志 | 1 | 186cm | 大阪ブルテオン |
| ミドルブロッカー | 小野寺太志 | 2 | 202cm | サントリーサンバーズ大阪 |
| セッター | 深津英臣 | 3 | 181cm | ウルフドッグス名古屋 |
| オポジット | 宮浦健人 | 4 | 190cm | ウルフドッグス名古屋 |
| アウトサイドヒッター | 大塚達宣 | 5 | 195cm | パワーバレー・ミラノ(イタリア) |
| ミドルブロッカー | 山内晶大 | 6 | 204cm | 大阪ブルテオン |
| アウトサイドヒッター | 新井雄大 | — | 188cm | 広島サンダーズ |
| セッター | 関田誠大 | — | 175cm | サントリーサンバーズ大阪 |
| セッター | 河東祐大 | 9 | 175cm | ジェイテクトSTINGS愛知 |
| ミドルブロッカー | 髙橋健太郎 | — | 201cm | ジェイテクトSTINGS愛知 |
| アウトサイドヒッター | 富田将馬 | 11 | 190cm | 大阪ブルテオン |
| アウトサイドヒッター | 髙橋藍 | 12 | 188cm | ボクダンカ・LUV・ルブリン(ポーランド) |
| リベロ | 小川智大 | 13 | 176cm | ボクダンカ・LUV・ルブリン(ポーランド) |
| アウトサイドヒッター | 石川祐希 | 14 | 192cm | ジラート・バンク・アンカラ(トルコ) |
| アウトサイドヒッター | 甲斐優斗 | — | 200cm | 大阪ブルテオン |
| ミドルブロッカー | 村山豪 | — | 192cm | 東京グレートベアーズ |
| ミドルブロッカー | 西本圭吾 | 17 | 188cm | 広島サンダーズ |
| オポジット | 西山大翔 | — | 193cm | 大阪ブルテオン |
| リベロ | 備一真 | — | 167cm | サントリーサンバーズ大阪 |
| リベロ | 山本智大 | 20 | 171cm | 大阪ブルテオン |
| セッター | 永露元稀 | — | 192cm | 広島サンダーズ |
| アウトサイドヒッター | デ アルマス アライン | — | 189cm | サントリーサンバーズ大阪 |
| ミドルブロッカー | エバデダン ラリー | 23 | 195cm | 大阪ブルテオン |
| オポジット | 高橋慶帆 | — | 194cm | ジェイテクトSTINGS愛知 |
| セッター | 下川諒 | — | 178cm | サントリーサンバーズ大阪 |
| アウトサイドヒッター | 後藤陸翔 | — | 187cm | 東京グレートベアーズ |
| リベロ | 武田大周 | — | 171cm | 東レアローズ静岡 |
| ミドルブロッカー | 麻野堅斗 | — | 207cm | 早稲田大学4年 |
| ミドルブロッカー | 三輪大将 | — | 193cm | 広島サンダーズ |
| ミドルブロッカー | 西川馨太郎 | — | 195cm | 大阪ブルテオン |
| アウトサイドヒッター | 工藤有史 | — | 190cm | VC長野トライデンツ |
| アウトサイドヒッター | 川野琢磨 | — | 197cm | 早稲田大学2年 |
| アウトサイドヒッター | 一ノ瀬漣 | — | 190cm | 鎮西高校3年 |
| ミドルブロッカー | 伊藤吏玖 | — | 195cm | 東京グレートベアーズ |
| オポジット/アウトサイドヒッター | 山田大貴 | — | 191cm | 東レアローズ静岡 |
| リベロ | 高橋和幸 | — | 170cm | ジェイテクトSTINGS愛知 |
この一覧から分かるのは、登録メンバーが単なる大会出場者のリストではないということだ。代表候補として登録される選手の層は広く、大会の目的や時期、選手のコンディションに応じて実際の出場メンバーが構成される。
たとえば、アジア選手権では石川、西田、髙橋藍らが名を連ねた一方、若手を含む登録選手全員が同じ大会に出場したわけではない。背番号を調べるときは、年度登録メンバーと、VNLやアジア選手権など個別大会の登録メンバーを分けて確認するのが確実だ。
【愛知・名古屋アジア大会2026】日本は銀メダル、決勝でイランに敗れる
2026年9月27日から10月3日まで開催された第20回アジア競技大会では、日本男子代表が決勝に進み、銀メダルを獲得した。会場は愛知県岡崎市の岡崎中央総合公園総合体育館など。日本は予選ラウンドから勝ち上がり、準決勝では中国とのフルセットの接戦を制した。
日本の試合結果は次のとおりだ。
- 9月27日・予選:ウズベキスタンに3対0で勝利
- 9月28日・予選:カザフスタンに3対0で勝利
- 9月29日・予選:パキスタンに3対0で勝利
- 10月1日・準々決勝:カタールに3対0で勝利
- 10月2日・準決勝:中国に3対2で勝利
- 10月3日・決勝:イランに1対3で敗れ、準優勝
注目したいのは、9月のアジア男子選手権で日本がイランにストレート勝ちしていた一方、アジア競技大会の決勝では敗れたことだ。この2試合だけを見て、日本の実力が急落したと判断するのは早い。
JVAが10月20日に公表したシーズン総括によると、ティリ監督はアジア競技大会に向け、出場機会が限られていた若手を中心としたBチームの強化プログラムを実施し、3〜4人のリーダー的な役割を担う選手がチームを支える体制を整えたと説明している。
つまり、アジア選手権の優勝を担った主力中心のチームと、アジア競技大会で経験を積んだ若手中心のチームは、編成の目的が異なる。銀メダルという結果に加え、若い選手が中国との準決勝やイランとの決勝を経験したことも、2028年五輪へ向けた強化の一部と考えられる。
【歴代メンバー比較】全日本男子バレーボールチームから名称が変わった理由
「全日本男子バレーボールチーム」と「バレーボール男子日本代表」は、別のチームを意味する名称ではない。JVAの正式名称は2018年度まで「全日本男子バレーボールチーム」だったが、2019年1月に「バレーボール男子日本代表」へ変更された。
この変更は、代表チームそのものの発足や競技ルールの変更ではなく、正式な呼称の変更だ。「全日本」は国内で長く親しまれてきた呼び方として残っているが、JVAの年度登録や大会日程、試合結果などでは「男子日本代表」という表記が使われている。
名称の違いを理解するには、次のように整理すると分かりやすい。
- 2018年度まで:JVAの正式名称は「全日本男子バレーボールチーム」
- 2019年1月以降:正式名称を「バレーボール男子日本代表」に変更
- 2026年現在:JVAの公式ページでは「男子日本代表」として選手登録、大会日程、試合結果を管理
名称変更の意味は、代表チームを「日本代表」として明確に示す表現へ整理した点にある。「全日本」という呼称が使われている記事を見ても、それだけで情報が古いとは限らない。ただし、最新の選手一覧や大会結果を調べる場合は、JVAの「男子日本代表」公式情報を基準にするのがよい。
歴代メンバーとの比較では、2026年度の登録選手にベテランから高校生までが含まれている点も見逃せない。1990年生まれの深津英臣、1995年生まれの石川祐希、2000年前後に生まれた西田有志や髙橋藍らに加え、2004年生まれの麻野堅斗、2006年生まれの川野琢磨、2008年生まれの一ノ瀬漣も登録されている。
現在の日本代表は、実績のある選手を中心に戦うだけでなく、次の世代へ国際経験をつなぐ段階にある。2026年のアジア競技大会で若手中心のチームが銀メダルを獲得したことは、この世代交代を進めるうえで意味のある成果だった。
【プロの結論】2026年の注目選手と、日本代表の本当の強み
2026年の男子日本代表を追うなら、注目すべきなのはスター選手の得点力だけではない。主力の完成度、ポジションごとの選手層、若手の成長、そして世界の大型チームに対抗するための戦術を合わせて見る必要がある。
石川祐希は攻撃の中心となるアウトサイドヒッターであり、国際経験を持つ主力の一人だ。西田有志はオポジットとして得点面で存在感を発揮し、髙橋藍は攻撃と守備の両面でチームを支える。VNLで上位に食い込み、アジア選手権でイランを下したチームの基盤は、こうした選手たちの力にある。
次世代の候補としては、身長200cmの甲斐優斗、207cmの麻野堅斗、197cmの川野琢磨らにも注目したい。特に麻野は大学生、川野は早稲田大学の学生、一ノ瀬は高校生として登録されており、今後の代表強化を考えるうえで重要な存在だ。
ただし、身長が高い選手が登録されていることと、世界のトップチームに対抗できる戦力が完成していることは同じではない。JVAの10月20日の総括では、技術委員会が長身選手の発掘、とりわけミドルブロッカーとセッターの育成を長年の課題として挙げた。また、国内大会のシーズンが長くなるなかで、選手のコンディション管理や、スタッフ体制の充実も課題として示している。
この指摘は、代表の強化が単に優秀な選手を集めるだけでは進まないことを示している。世界の強豪と戦い続けるには、ブロックの高さ、セッターの選択肢、サーブからの得点、守備から攻撃への切り替え、そして長いシーズンを通じたコンディション管理を総合的に高める必要がある。
読者が試合を見るときの判断基準も、勝敗だけに置かないほうがいい。強豪相手に競ったセットを取れるか、相手のブロックに対して攻撃の選択肢を変えられるか、控え選手が投入された後も攻守の質を維持できるか。こうした点を追うことで、日本代表が一大会限りの好成績ではなく、五輪でメダルを狙えるチームへ成長しているかが見えてくる。
【バレーボール日本男子代表】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年の男子バレー日本代表メンバーは何人ですか?
A1:JVAの2026年度登録メンバーは36人です。ただし、これは年間の登録選手一覧であり、VNLやアジア男子選手権、アジア競技大会などの大会ごとに実際の登録メンバーは異なります。
Q2:男子バレー日本代表のFIVB世界ランキングは4位ですか?
A2:2026年10月初旬に公表された順位では、日本は352.70ポイントで5位です。VNL2026の最終順位は4位ですが、FIVB世界ランキングとは別の指標です。ランキングを確認するときは、順位の対象と基準日を合わせて見る必要があります。
Q3:全日本男子バレーボールチームという名称は間違いですか?
A3:間違いではありません。2018年度までJVAの正式名称として使われていた名称です。2019年1月からは「バレーボール男子日本代表」に変更されており、2026年現在の公式情報ではこちらの表記が使われています。
まとめ:2026年の成果をロサンゼルス五輪のメダルへつなげられるか
2026年のバレーボール男子日本代表は、VNL4位、アジア男子選手権優勝、アジア競技大会準優勝という結果を残した。とりわけ、アジア男子選手権でイランをストレートで破り、ロサンゼルス2028五輪の出場権を獲得したことは、今季を代表する成果だ。
一方、VNLでは準決勝と3位決定戦で敗れ、アジア競技大会でも決勝でイランに敗れた。こうした結果は、世界の上位国と戦う力を持ちながらも、重要な試合で勝ち切るための課題が残っていることを示している。
2026年の代表を正しく理解するには、年度登録メンバーと大会別メンバーを区別し、VNLの順位とFIVB世界ランキングを混同せず、Aチームと若手中心のチームそれぞれの成果を評価することが大切だ。石川、西田、髙橋藍らの主力に、甲斐、麻野ら次世代の選手がどのように加わっていくか。日本代表の次の焦点は、アジア王者としての実績を土台に、2027年の国際大会を経てロサンゼルス五輪でメダルを争える総合力を築けるかどうかにある。