ホーム 健康・医療 ベロの両脇が痛い原因は?口内炎・歯の尖りから舌がんのサインまで徹底解説

ベロの両脇が痛い原因は?口内炎・歯の尖りから舌がんのサインまで徹底解説

藤崎 智也 藤崎 智也 • 更新: • 公開: • 読了約 19 分
目次

ベロの両脇がヒリヒリする、舌の横に白いできものがある、食事中に舌が歯に当たって痛む。こうした症状が出ると、「ただの口内炎なのか、それとも何かの病気なのか」と不安になる人もいるはずです。

舌の両脇が痛む原因は、アフタ性口内炎や歯の尖りによる傷、無意識に上下の歯を接触させるTCH(歯列接触癖)、ビタミンB群・亜鉛などの不足、舌炎や舌痛症などさまざまです。一方、舌がんも舌の側面に生じることが多く、白い斑点や赤い斑点、硬いしこり、長引く潰瘍には注意が必要です。

【原因を解説】ベロの両脇が痛いのはなぜ?代表的な6つの原因

ベロの両脇が痛い

舌の側面は、上下の奥歯や尖った歯に接触しやすく、食事や会話でも動き続ける場所です。そのため、小さな傷や炎症が生じると、食べ物が触れたときや舌を動かしたときに痛みを感じることがあります。

日本口腔外科学会の「口腔外科相談室」でも、舌の痛みの原因として、歯の摩耗やむし歯、不適切な歯科修復物、口腔乾燥、感染症、栄養素の不足、舌痛症、悪性腫瘍などが挙げられています。

1.舌の横にできる口内炎

舌の側面が痛む原因として、まず考えられるのが口内炎です。代表的なアフタ性口内炎では、白っぽい、または黄白色の中心部と赤い縁を持つ小さな潰瘍ができ、食事や歯との接触でしみることがあります。

頬や舌を誤って噛んだこと、歯ブラシなどによる傷、口腔粘膜への刺激がきっかけになる場合もあります。ただし、口内炎には複数の種類があり、見た目だけで原因を確定することはできません。

一般的な口内炎は1〜2週間程度で改善することが多いものの、長引く場合や繰り返し発症する場合は、別の病気や全身的な要因も考える必要があります。

2.歯の尖り・欠け・詰め物による物理的な刺激

舌の同じ場所が繰り返し痛む場合は、歯の形状や歯科治療後の状態も確認したいところです。欠けた歯、尖った歯の縁、摩耗した歯、破損した詰め物などが舌に当たり、傷や潰瘍を生じさせることがあります。

この場合、舌を特定の方向に動かすと痛む、食事中に同じ場所が歯に触れる、舌の側面に線状の傷があるといった特徴が手掛かりになります。ただし、こうした症状だけで原因を断定することはできません。

原因となる歯がある場合、口内炎用の薬だけでは刺激が残り、治りにくくなることがあります。歯科医院で歯の形や詰め物、噛み合わせを確認してもらうことが対処の第一歩です。

3.TCH(歯列接触癖)や舌を噛む癖

TCHは「Tooth Contacting Habit」の略で、食事や会話をしていないときにも、上下の歯を無意識に接触させ続ける習慣を指します。

日本歯科医師会が制作する情報コンテンツでも、TCHは自覚しにくい口腔習癖として紹介されています。上下の歯は、通常、安静時には少し離れているのが自然な状態です。

歯を接触させ続けると、顎周辺の筋肉に負担がかかるほか、舌を歯に押しつけたり、側面を歯に擦りつけたりする癖が重なることで、舌の痛みを悪化させる可能性があります。

特に、パソコンやスマートフォンを操作しているとき、仕事に集中しているとき、緊張しているときに歯を接触させていないか確認してみましょう。ただし、TCHだけですべての舌痛を説明できるわけではありません。

4.ビタミンB群・亜鉛・鉄などの不足

舌の粘膜は、栄養状態や全身の健康状態の影響を受けます。ビタミンB12や葉酸などが不足すると舌炎を起こすことがあり、舌の赤み、ヒリヒリ感、味覚の変化などが現れる場合があります。

亜鉛不足も味覚障害や舌の不快感に関係することがあります。また、鉄欠乏性貧血に伴って舌の表面が赤く滑らかになり、痛みが生じるケースもあります。

食事が偏っている、食欲が落ちている、味が分かりにくい、疲れやすいといった症状が重なっている場合は、栄養状態や貧血の有無を調べることも選択肢になります。ただし、舌が痛いからといって、必ずしも栄養不足とは限りません。

5.舌炎・口腔カンジダ症・口の乾燥

舌炎は、舌の粘膜に炎症が起きている状態です。感染症、物理的な刺激、栄養不足、口腔乾燥など、さまざまな要因で生じます。

口腔カンジダ症では、白い苔のような付着物や粘膜の赤み、ヒリヒリ感が現れることがあります。口の中が乾燥すると粘膜を保護する働きが弱まり、舌が刺激に敏感になることもあります。

舌の表面が白いからといって、すべてがカンジダ症というわけではありません。舌苔や粘膜の病変など、見た目が似ている状態もあるため、白い部分を強くこすって取り除こうとするのは避けましょう。

6.舌痛症や神経痛など、見た目だけでは分からない原因

舌痛症は、舌にヒリヒリする、焼けるように痛むといった症状があるにもかかわらず、痛みを十分に説明できる明らかな粘膜の異常が見つからない場合に検討される状態です。口腔乾燥、栄養状態、糖尿病、薬剤の影響など、関連する要因を確認する必要があります。

舌痛症では、食事中に痛みが軽くなる、午後から夕方にかけて症状が強まるなどの傾向がみられることもあります。しかし、こうした特徴だけで診断することはできません。

また、電気が走るような瞬間的な痛みを繰り返す場合には、三叉神経痛などの神経痛も鑑別の対象になります。見た目に異常がない場合でも、痛みが続くなら医療機関で相談しましょう。

【症状を比較】舌の側面の白いできもの・赤い斑点・硬いしこりの見分け方

舌の両脇が痛いときは、痛みの強さだけでなく、どのような変化があるかを観察することが役立ちます。ただし、外見はあくまで受診の目安であり、見た目だけで良性・悪性を判定することはできません。

症状・見た目 考えられる原因 受診の判断材料
白っぽい中心部と赤い縁の潰瘍 アフタ性口内炎、歯などによる外傷 一般的な口内炎は1〜2週間程度で改善することが多い。長引く場合は受診する
歯に触れる場所の傷や赤み 歯の尖り、歯の欠け、詰め物、舌を噛む癖 同じ場所が繰り返し傷つく場合は歯科で原因を確認する
舌の表面に広がる白い付着物 舌苔、口腔カンジダ症など こすって無理に取らず、痛みや赤みを伴う場合は受診する
こすっても取れない白い斑点 白板症などの粘膜病変 自己判断で放置せず、歯科口腔外科などで評価を受ける
消えない赤い斑点、赤白が混在する病変 炎症や紅板症など、さまざまな粘膜病変 持続する場合は早めに受診する
硬いしこり、治らない潰瘍、出血 慢性的な外傷や腫瘍性病変など 舌がんを含む病気を除外するため、速やかに受診する
見た目に明らかな異常がないヒリヒリ感 舌痛症、口腔乾燥、栄養不足、神経痛など 症状が続く場合は歯科口腔外科などで原因を調べる

とくに注意したいのは、白い斑点や赤い斑点が消えずに残るケースです。白板症や紅板症など、経過観察や専門的な検査が必要な病変もあります。すべての白色・赤色病変ががんというわけではありませんが、色だけで安全性を判断するのも危険です。

また、口内炎のように見えても、硬いしこりを伴っていたり、出血を繰り返したりする場合は注意が必要です。市販薬を使って様子を見ることだけにこだわらず、原因を確認することを優先してください。

【歯が原因?】歯の尖り・TCHによる舌の痛みを和らげる方法

舌の両脇の痛みが、歯に触れたときに強くなる場合は、口の中の刺激を減らすことが大切です。歯の形状や噛み合わせに問題があるなら、根本的な対処には歯科での確認が必要です。

歯が舌に当たる場合

まずは、痛む場所と歯が接触する位置を把握しましょう。奥歯の尖った部分、欠けた歯、詰め物の縁などが原因なら、歯科医師が状態を確認し、必要に応じて調整や修復を検討します。

自分で歯を削ったり、詰め物を外したりするのは避けてください。粘膜をさらに傷つけたり、歯を損傷したりするおそれがあります。

TCHが疑われる場合

安静時にも上下の歯が触れていることに気づいたら、軽く息を吐き、顎の力を抜いて歯と歯を離す習慣をつけましょう。日本歯科医師会の解説では、10分おきに歯の接触状態を確認する方法や、気づいたときに深呼吸をする方法が紹介されています。

ただし、舌を歯に押しつける癖があっても、それだけで痛みの原因がTCHだと決まるわけではありません。傷やできものが残っている場合は、習慣の改善と並行して診察を受けてください。

日常生活でできるセルフケア

  • 熱すぎる食べ物、香辛料の強い料理、酸味の強い食品など、痛みを悪化させるものを一時的に控える。
  • 水分を適度に取り、口の中が乾燥しないようにする。
  • 歯ブラシは柔らかめのものを選び、舌の傷をこすらないようにする。
  • 口の中を清潔に保ち、食後は水などでやさしくすすぐ。
  • 十分な睡眠とバランスのよい食事を心がける。
  • 痛みの場所、発症時期、食事との関係、できものの変化を記録する。

口内炎用の市販薬を使用する場合も、説明書を確認し、適応や使用上の注意を守りましょう。原因が歯の刺激や感染症、腫瘍性病変などであれば、薬だけでは解決しないことがあります。

【見逃さないで】舌がんの初期症状と「2週間以上治らない」場合の注意点

舌がんは、舌の側面に発生することが多いがんです。初期には自覚症状が乏しく、痛みが目立たない場合もあるため、単純に「痛くないから大丈夫」とは判断できません。

日本頭頸部外科学会の一般向け解説では、舌がんについて、舌の縁にできることが多く、早期には白色や赤色の病変だけが見られる場合もあると説明されています。同学会の公開解説では、国内で年間約4,200人が新たに舌がんと診断されると紹介されています。この数値は同学会の2020年更新の解説に基づくもので、2026年の最新集計値を示すものではありません。

舌がんで注意したい症状

  • 2週間以上たっても治らない口内炎のような傷や潰瘍
  • 舌の側面に触れる硬いしこり
  • こすっても取れない白い斑点や、消えない赤い斑点
  • 出血を繰り返す病変
  • 舌のしびれ、動かしにくさ、持続する違和感
  • 首のしこりなど、ほかの気になる症状を伴う状態

これらの症状があっても、必ず舌がんというわけではありません。口内炎や外傷、炎症などでも似た症状が出ることがあります。大切なのは、症状だけで自己診断せず、必要な検査を受けることです。

なぜ「2週間」が受診の目安になるのか

一般的な口内炎や小さな外傷は、時間とともに改善することが多いため、2週間以上治らない場合は、通常の経過から外れている可能性があります。日本頭頸部外科学会や東京医科大学病院の舌がんに関する解説でも、2週間以上改善しない口内炎のような病変や、周囲に硬いできものがある場合には、医療機関への受診が勧められています。

ここで注意したいのは、2週間という期間が「それまでは受診しなくてよい」という意味ではないことです。硬いしこり、明らかな腫瘤、繰り返す出血、急速に大きくなる病変がある場合は、期間にかかわらず早めに受診してください。

また、舌の腫れが急速に進み、息苦しさや飲み込みにくさがある場合は、気道に影響する可能性もあるため、救急受診が必要です。

【舌の側面が痛いときは何科?】歯科口腔外科・耳鼻咽喉科の選び方

ベロの両脇が痛いときは、原因によって適した診療科が異なります。歯の尖りや口内炎が疑われる場合は歯科、舌のしこりや長引く粘膜病変がある場合は歯科口腔外科、耳鼻咽喉科・頭頸部外科が主な相談先になります。

歯科・歯科口腔外科が向いているケース

次のような場合は、まず歯科医院や歯科口腔外科に相談するとよいでしょう。

  • 舌が歯に当たると痛む。
  • 歯が尖っている、欠けている、詰め物が気になる。
  • 舌の横に口内炎や傷、できものがある。
  • 舌の側面の硬いしこりや白色・赤色の病変が気になる。
  • 歯科治療のあとから舌の痛みが続いている。

歯科口腔外科では、舌や口腔粘膜の状態を確認し、必要に応じて専門的な検査やほかの診療科への紹介を行います。受診先に迷った場合は、口腔粘膜や口腔がんの診療に対応しているか、事前に確認すると安心です。

耳鼻咽喉科・頭頸部外科が向いているケース

舌の病変が長引いている、硬いしこりがある、首のしこりや喉の症状を伴う場合は、耳鼻咽喉科・頭頸部外科も適切な受診先です。舌がんが疑われるときには、視診・触診のほか、必要に応じて組織の一部を採取する生検などで診断します。

メディカルドックの「舌の側面が痛い」症状に関する解説でも、原因に応じた診療科や受診の目安が取り上げられています。受診先を選ぶ際は、痛みの強さだけでなく、病変が見えるか、どのくらい続いているか、しこりや出血があるかを伝えると、診察が進めやすくなります。

受診時に伝えたいこと

診察では、次の情報を整理しておくと役立ちます。

  • 痛みが始まった時期と、続いている期間
  • 右側・左側・両側のどこが痛むか
  • 白いできもの、赤い斑点、潰瘍、しこりの有無
  • 食事中だけ痛いのか、何もしていなくても痛いのか
  • 最近の歯科治療、歯の欠け、噛み癖の有無
  • 味覚の変化、口の乾燥、発熱、首のしこりなどの有無
  • 服用中の薬や、これまでに指摘された栄養不足・貧血など

舌の写真を撮っておくのも一つの方法です。ただし、撮影のために舌を強く引っ張ったり、患部を繰り返し触ったりする必要はありません。

【プロの結論】舌の両脇の痛みで後悔しないための判断基準

舌の側面の痛みで重要なのは、「何が原因か」を見極めることと、「いつまで様子を見てよいか」を分けて考えることです。痛みが軽くても、長引く病変や硬いしこりがあれば注意が必要です。一方、強い痛みがあるからといって、直ちに重い病気と決まるわけでもありません。

判断の目安を整理すると、次のようになります。

  • 歯に触れたときだけ痛む:歯の尖り、欠け、詰め物、舌を噛む癖などを確認するため、歯科で相談する。
  • 白っぽい潰瘍があり、少しずつ改善している:刺激を避けて口の中を清潔に保つ。ただし、悪化したり長引いたりしたら受診する。
  • 舌がヒリヒリするのに見た目の異常がない:舌痛症だけでなく、口腔乾燥、栄養不足、感染症なども含めて原因を調べる。
  • 白い斑点や赤い斑点が消えない:自己判断で口内炎と決めつけず、歯科口腔外科などで評価を受ける。
  • 硬いしこり、出血、2週間以上治らない傷がある:早めに専門の医療機関を受診する。

栄養不足が疑われる場合も、自己判断でサプリメントを大量に摂取するのは避けたいところです。ビタミンや亜鉛などの不足は、食事内容や血液検査などを踏まえて判断する必要があり、摂りすぎが問題になることもあります。

また、舌痛症が疑われる場合でも、最初から「ストレスが原因」と決めつけないことが大切です。目に見える病変や感染症、栄養状態、歯による刺激などを確認したうえで、適切な診断と治療につなげましょう。

【ベロの両脇が痛い】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:ベロの両脇が痛いのは、口内炎が原因ですか?
A1:口内炎は代表的な原因の一つですが、歯の尖り、噛み癖、TCH、舌炎、口腔乾燥、栄養不足などでも痛みが生じます。白いできものや赤い斑点がある場合も、見た目だけで原因を断定することはできません。

Q2:舌の側面に白いできものがあります。舌がんの可能性はありますか?
A2:白いできものの多くが舌がんというわけではありません。ただし、こすっても取れない白い斑点、消えない赤い斑点、硬いしこり、出血を伴う病変には注意が必要です。2週間以上治らない場合は、歯科口腔外科や耳鼻咽喉科・頭頸部外科を受診してください。硬いしこりなどがある場合は、2週間を待たずに受診しましょう。

Q3:舌の側面が痛いときは何科に行けばよいですか?
A3:歯の尖りや口内炎が気になる場合は歯科、舌のしこりや長引く粘膜病変がある場合は歯科口腔外科または耳鼻咽喉科・頭頸部外科が主な相談先です。受診先に迷ったら、口腔粘膜の病変を診察できる医療機関に相談してください。

Q4:舌の両脇の痛みは、ビタミンB群や亜鉛のサプリメントで治りますか?
A4:不足が痛みの原因になっている場合は、適切な補充によって改善する可能性があります。ただし、歯の刺激、感染症、舌痛症など別の原因もあるため、サプリメントだけで解決するとは限りません。長引く場合は受診し、必要に応じて血液検査などで原因を確認しましょう。

Q5:舌の痛みが2週間以上続いていますが、痛みが軽ければ放置してもよいですか?
A5:痛みの強さだけでは判断できません。2週間以上治らない傷やできものは、軽い痛みでも受診することをおすすめします。硬いしこり、白色・赤色の病変、出血などがある場合は、さらに早めに相談してください。

まとめ:舌の両脇の痛みは原因の見極めと早めの受診が大切

ベロの両脇が痛い原因には、口内炎、歯の尖り、TCH、舌炎、ビタミンB群や亜鉛などの不足、舌痛症といったさまざまな要因があります。痛む場所や見た目、食事との関係、症状が続いている期間を確認することで、受診の判断に役立つ情報を整理できます。

一時的な刺激による痛みであれば、原因となる刺激を避けることで改善する場合があります。しかし、舌の側面に硬いしこりがある、白色・赤色の病変が消えない、傷が2週間以上治らないといった場合は、自己判断で様子を見続けないことが大切です。

まずは歯科や歯科口腔外科、必要に応じて耳鼻咽喉科・頭頸部外科で相談し、原因に合った対処につなげましょう。舌の痛みを軽視せず、必要なタイミングで専門家の診察を受けることが、口の健康を守るための確かな一歩です。

同じカテゴリの記事

藤崎 智也

アニメ・漫画の情報を担当。制作会社と出版社の公式告知、雑誌の最新号情報を確認して、放送日と単行本の発売日を整理します。

おすすめの関連記事