赤ちゃんに麦茶を飲ませたいと思っても、「ベビー麦茶はいつから飲める?」「初めては何ml?」「母乳やミルクの前後、離乳食の前にあげてもいい?」と迷う保護者は少なくありません。市販のベビー麦茶と大人用の麦茶では、薄め方や使い方にも違いがあります。
2026年現在、こども家庭庁が公開する「授乳・離乳の支援ガイド」では、離乳食の開始時期は生後5〜6か月頃が目安とされています。また、2026年4月発行の医学専門誌「小児科診療」でも、乳児の水分・栄養補給は母乳や育児用ミルクを基本とし、麦茶は離乳食開始後に少量から取り入れる考え方が示されています。この記事では、始める時期、量の目安、薄め方、スプーンやマグでの飲ませ方、市販品の選び方、保存方法まで、実践しやすい形で整理します。
【ベビー麦茶はいつから?】生後5〜6か月の始め方と注意点

赤ちゃんに麦茶を飲ませるなら、まず意識したいのが月齢だけで判断しないことです。麦茶そのものを飲めるかどうかと、今の赤ちゃんに追加の水分補給が必要かどうかは、別の問題です。
基本は離乳食を始める生後5〜6か月頃から
こども家庭庁の「授乳・離乳の支援ガイド」では、離乳の開始時期を生後5〜6か月頃としています。首がしっかりすわっている、支えがあれば座れる、食べ物に興味を示す、スプーンを口に入れたときに舌で押し出す反応が少なくなる、といった発達の様子も目安です。
麦茶も、この離乳食開始のタイミングに合わせて、少しずつ試すと取り入れやすくなります。ただし、離乳食を始めたからといって、麦茶を必ず飲ませなければならないわけではありません。
離乳食をまだ始めていない赤ちゃんで、母乳や育児用ミルクを十分に飲めている場合は、通常、麦茶を追加する必要はありません。離乳食開始前に麦茶を飲ませる練習を急ぐ必要もないため、焦らず赤ちゃんの成長に合わせましょう。
生後5〜6か月の初回は、飲ませることより慣れることを優先
初めての麦茶は、スプーン1杯程度、約5mLを試すところから始められます。これは家庭での少量の試し方の目安であり、国が定めた必須量や1日の目標量ではありません。
口に含んで飲み込めたら十分です。口から出したり、顔をそむけたりした場合は、いったん終了して構いません。初回から何口も飲ませようとすると、赤ちゃんが飲み物やスプーンを嫌がるきっかけになることもあります。
初めての飲み物を試すときは、赤ちゃんの体調がよく、保護者が様子を観察できる時間帯を選びましょう。発熱、嘔吐、下痢などで体調が悪いときは、麦茶を飲ませる練習よりも、必要な水分補給や受診の判断を優先してください。
【ベビー麦茶のあげ方】量・薄め方・スプーンとマグの使い方
ベビー麦茶の飲ませ方で大切なのは、赤ちゃんが飲み込みやすい状態を整え、少量ずつ、自分のペースで飲めるようにすることです。月齢が同じでも飲む量や飲み方には個人差があるため、無理に一定量を飲ませる必要はありません。
ベビー麦茶の量はどれくらい?1日の目安
健康な赤ちゃんが離乳食を始めたばかりの時期には、麦茶を何ml飲ませるべきかという一律の基準はありません。まずは小さじ1杯程度から試し、嫌がらずに飲めるようなら、食事や生活の様子に応じて少しずつ増やします。
次の表は、離乳食開始後の家庭での取り入れ方を整理したものです。量はあくまで実践上の目安であり、すべての赤ちゃんに必要な量を示すものではありません。
| 場面・時期 | 量の考え方 | 飲ませ方のポイント |
|---|---|---|
| 離乳食開始前 | 通常は追加不要 | 母乳・育児用ミルクを基本にする |
| 初めての麦茶 | スプーン1杯程度、約5mLから | 飲み込む様子を確認し、嫌がれば終了する |
| 離乳食初期 | 数口程度から様子を見る | 食事や授乳を妨げない量にする |
| 離乳食が進んだ時期 | 食事や喉の渇きに応じて調整 | コップやマグの練習も取り入れる |
| 発熱・嘔吐・下痢などがあるとき | 麦茶だけで必要量を補おうとしない | 脱水の兆候に注意し、医療機関に相談する |
お風呂上がりや外出後などに少し飲ませる方法もありますが、飲む量を増やすこと自体が目的ではありません。母乳やミルクを飲む量が減っていないか、食事の進み具合に影響していないかも確認しましょう。
赤ちゃんの麦茶の薄め方は?ベビー用と大人用の違い
薄める必要があるかどうかは、麦茶の種類によって異なります。特に市販のベビー麦茶と、家庭で作った大人用の麦茶は区別してください。
- 市販のベビー麦茶:赤ちゃん向けの濃さに調整された商品なら、表示に従ってそのまま与えられます。必ずしも薄める必要はありません。
- 大人用に作った麦茶:濃さが赤ちゃんに合わない場合があるため、湯冷ましで薄めます。福岡市の離乳食Q&Aでは、大人用の麦茶を基本的に倍に薄める方法が案内されています。
- 濃さが分からない麦茶:商品の表示を確認し、赤ちゃん向けの濃さか判断できない場合は、無理に与えずベビー用を選ぶ方法もあります。
大人用の麦茶を倍に薄める場合は、麦茶と湯冷ましをおおむね1対1で混ぜる方法が目安になります。ただし、商品や作り方によって濃さは異なるため、濃い麦茶を大量に作ってから適当に調整するより、最初から薄めに作るほうが管理しやすいでしょう。
なお、麦茶はカフェインを含まない飲み物ですが、ノンカフェインだからといって、濃さや衛生管理を気にしなくてよいわけではありません。
スプーンとマグ、どちらで飲ませる?
初めてなら、量を調節しやすい離乳食用スプーンが使いやすい方法です。赤ちゃんを上体が起きた姿勢にし、スプーンを下唇にそっと当てて、赤ちゃんが口を閉じて飲み込むのを待ちます。口の奥に流し込んだり、顔を上に向けて一気に飲ませたりしないでください。
スプーンで少量を飲めるようになったら、小さなコップやベビー用マグを試してもよいでしょう。最初から上手に飲めなくても問題ありません。保護者がコップを支え、赤ちゃんの口元に少しずつ飲み物が触れるようにすると、すする動きを練習しやすくなります。
哺乳瓶に慣れている赤ちゃんでも、麦茶を哺乳瓶で飲ませることにこだわる必要はありません。飲み物を長時間くわえたままにしたり、哺乳瓶をくわえさせたまま寝かせたりすることは避けましょう。
【母乳・ミルクが先】離乳食前や食事中に麦茶をあげるタイミング
麦茶をいつ飲ませるかを考えるときは、赤ちゃんに必要な栄養と水分を何から摂っているかを押さえることが大切です。1歳未満では、離乳食が進んでいても母乳や育児用ミルクが重要な栄養源です。
母乳・ミルクと麦茶の優先順位
こども家庭庁の「授乳・離乳の支援ガイド」では、離乳開始前の最適な栄養源は母乳または育児用ミルクとされています。健康で十分に授乳できている赤ちゃんに、麦茶を追加して水分補給をさせる必要は通常ありません。
離乳食を始めた後も、麦茶を母乳やミルクの代わりにしないことが基本です。麦茶には、育児用ミルクのように赤ちゃんの成長に必要な栄養素をバランスよく補う役割はありません。
授乳量が減ってきたからといって、すぐに麦茶へ置き換えるのも避けましょう。月齢、離乳食の進み方、体重の増え方などを総合的に見ながら、必要に応じて乳幼児健診や小児科で相談してください。
赤ちゃんに麦茶を飲ませるおすすめのタイミング
離乳食を始めたばかりなら、食事のときにスプーンで少量を試す方法が取り入れやすいでしょう。離乳食の後や、食事と食事の間に、赤ちゃんが飲みたそうな様子を見せたときに少し与える方法もあります。
- 離乳食の前:飲ませること自体は禁止されていませんが、食欲に影響するほど多く与えるのは避けましょう。離乳食開始前に、麦茶を飲ませるための練習をする必要もありません。
- 離乳食中・食後:食事の邪魔にならない程度に少量を与え、飲み込み方や食べる様子を確認します。
- お風呂上がり・外出後:離乳食開始後であれば、必要に応じて少量試せます。ただし、授乳を必要とする赤ちゃんには母乳やミルクも適切に与えます。
- 寝る前:麦茶を無理に飲ませる必要はありません。哺乳瓶やマグをくわえたまま眠らせないようにしましょう。
暑い日や汗をかいた日も、麦茶を大量に飲ませれば安心というわけではありません。特に低月齢の赤ちゃんでは、母乳・ミルクを優先し、尿の回数や機嫌、授乳の様子なども確認してください。嘔吐や下痢などで脱水が疑われる場合は、麦茶だけで対処せず医療機関に相談することが大切です。
【市販のベビー麦茶おすすめ比較】ノンカフェインの選び方と保存方法
市販のベビー麦茶を選ぶ際は、商品名やパッケージの印象だけでなく、対象月齢、原材料、濃さ、容器の使いやすさを確認しましょう。赤ちゃん向けに調整された商品を選べば、家庭で薄める手間を減らせます。
ベビー麦茶の市販品を比較するときのポイント
例えば、ピジョンの「ベビー麦茶」は公式商品情報で、国産大麦を使用し、カフェインやタンニンを含最初に、1か月頃から薄めずに飲める商品として案内されています。一方、和光堂の「ベビーのじかん むぎ茶」についても、公式の原材料情報で六条大麦(国産)とビタミンCが表示されています。
ただし、商品の対象月齢と、実際に麦茶を飲ませ始めるのに適した時期は同じ意味ではありません。パッケージに低月齢から飲めると記載されていても、健康な赤ちゃんに離乳食開始前から麦茶を追加する必要があるとは限りません。
- ノンカフェインか:原材料や商品表示を確認する。緑茶や紅茶など、カフェインを含む飲み物は避ける。
- 赤ちゃん向けの濃さか:薄めず飲める商品か、薄める必要がある商品かを確認する。
- 原材料が分かりやすいか:大麦以外の原材料や添加物も確認し、家庭の方針に合うものを選ぶ。
- 容器が使いやすいか:自宅では必要な量を取り分けやすいもの、外出先では衛生的に扱いやすいものを選ぶ。
- 開封後の管理ができるか:容量が大きい商品は、開封後の保存方法と使い切りやすさも考慮する。
市販品の価格や販売状況は店舗や時期によって変わるため、どの商品が最もお得かは一概には決められません。初めて試す場合は、少量ずつ使いやすい容量や、原材料と対象月齢を確認しやすい商品から検討するとよいでしょう。
ベビー麦茶の保存方法と衛生管理
麦茶は、飲ませる量や濃さだけでなく、保存中の衛生管理も欠かせない。赤ちゃんは細菌への抵抗力が十分に発達していないため、開封後の飲料や家庭で作った麦茶を長時間放置しないようにしましょう。
- 市販の未開封品:パッケージに記載された保存条件と賞味期限を守る。
- 市販品の開封後:商品表示に従って保存し、必要な分だけ清潔な容器に取り分けて、できるだけ早く使い切る。
- 赤ちゃんが直接口をつけた容器:残った麦茶を保存して再び飲ませず、処分する。
- 家庭で作った麦茶:清潔な器具を使い、十分に冷ましてから清潔な容器に入れて冷蔵する。その日のうちに使い切る方法が管理しやすい。
- 飲ませる直前:冷蔵庫から出したばかりの冷たい麦茶は、赤ちゃんが飲みやすい温度に調整する。
また、麦茶に砂糖や甘味料を加えて飲ませる必要はありません。はちみつは乳児ボツリヌス症のリスクがあるため、1歳未満の赤ちゃんには絶対に与えないでください。
【赤ちゃんが麦茶を飲まない理由】無理なく慣れるための対処法
せっかく麦茶を用意しても、口から出したり、スプーンを押し返したりする赤ちゃんはいます。しかし、麦茶を飲まないことだけで、水分不足や発育上の問題があるとは判断できません。
麦茶を飲まない主な理由
- 母乳やミルク以外の味に慣れていない:これまで飲んできたものと味が違うため、戸惑っている可能性があります。
- 麦茶の味や濃さが合わない:大人用の麦茶は、赤ちゃんには苦みや香ばしさが強く感じられることがあります。
- スプーンやマグに慣れていない:飲み物そのものではなく、口に触れる道具を嫌がっている場合もあります。
- お腹がすいていない、喉が渇いていない:授乳直後などは、追加の飲み物を欲しがらないことがあります。
- 眠い、機嫌が悪い、体調がよくない:飲み慣れないものを試す気分ではない可能性があります。
飲まないときは、時間・量・道具を変えてみる
まずは無理に飲ませず、いったん中断しましょう。時間を空けて、赤ちゃんの機嫌がよいときに少量だけ再度試す方法があります。
大人用の麦茶を使っている場合は、赤ちゃん向けの商品に替える、または適切に薄める方法も検討できます。スプーンを嫌がる場合は、小さなコップやベビー用マグを試してみてもよいでしょう。ただし、道具を次々と変えたり、飲み切るまで繰り返し口元に押し当てたりする必要はありません。
熊本市の子育て相談Q&Aでも、麦茶や湯冷ましを嫌がる場合、母乳や育児用ミルクを飲めていれば無理に与える必要はなく、スプーンを嫌がるときも強制しないよう案内されています。飲めるようになる時期には個人差があるため、周囲の赤ちゃんと比較せず、本人のペースを尊重しましょう。
飲まないときに注意したい体調のサイン
麦茶を飲まないことよりも、母乳やミルクまで飲めなくなっていないか、尿の量が減っていないか、普段よりぐったりしていないかを確認が必要です。
授乳量の低下、尿の明らかな減少、口の乾燥、強い眠気や反応の乏しさ、繰り返す嘔吐や下痢などがある場合は、早めに小児科や地域の医療相談窓口へ相談してください。意識がはっきりしない、反応が極端に弱いなど緊急性の高い症状がある場合は、救急対応が必要です。
発熱や下痢のときに、麦茶を飲ませれば脱水を防げると考えるのは危険です。水分や電解質の補給方法は症状や月齢によって異なるため、必要に応じて医師の指示を受けましょう。
【ベビー麦茶あげ方】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:赤ちゃんに麦茶は何か月から飲ませていいですか?
A1:離乳食を始める生後5〜6か月頃を目安に、少量から試す方法が一般的です。離乳食開始前で母乳や育児用ミルクを十分に飲めている場合は、通常、麦茶を追加する必要はありません。
Q2:初めてのベビー麦茶は何mlあげればいいですか?
A2:まずはスプーン1杯程度、約5mLから試せます。これは初回の実践的な目安であり、必ず飲ませる量や1日の目標量ではありません。嫌がったら無理に続けず、赤ちゃんの様子に合わせてください。
Q3:離乳食を始める前に麦茶を飲ませてもいいですか?
A3:飲ませること自体が一律に禁止されているわけではありませんが、健康で母乳やミルクを十分に飲めている赤ちゃんには、通常、追加の水分補給は不要です。離乳食前に麦茶やスプーンの練習を急ぐ必要もありません。
Q4:市販のベビー麦茶は薄める必要がありますか?
A4:赤ちゃん向けに調整され、そのまま飲める商品であれば、基本的には商品表示に従って使えます。大人用の麦茶は濃さを確認し、湯冷ましで薄めてください。商品によって条件が異なるため、パッケージを確認しましょう。
Q5:麦茶を飲まない場合、母乳やミルクの代わりにしてもいいですか?
A5:いいえ。1歳未満の赤ちゃんでは母乳や育児用ミルクが主要な栄養源です。麦茶で授乳を置き換えず、飲まない場合は無理強いしないでください。授乳まで十分にできない場合や尿が減っている場合は、医療機関に相談しましょう。
まとめ:赤ちゃんのペースを優先したベビー麦茶のあげ方
ベビー麦茶は、生後5〜6か月頃の離乳食開始後を目安に、少量から取り入れる方法が基本です。初めてならスプーン1杯程度から始め、赤ちゃんが飲み込めるか、嫌がらないかを見ながら進めましょう。ベビー用の市販品は商品表示を確認し、大人用の麦茶は適切に薄めて使います。
忘れてはいけないのは、麦茶を飲めるようになることが、離乳食や授乳と同じ優先度ではないという点です。離乳食開始前はもちろん、開始後も母乳・育児用ミルクを基本にし、麦茶を飲まないからといって焦る必要はありません。
2026年現在も、こども家庭庁の「授乳・離乳の支援ガイド」が離乳食開始の基本的な目安を示しています。月齢だけで一律に判断するのではなく、発達や体調に合わせて少しずつ試し、衛生的な保存と安全な飲ませ方を心がけることが、無理なく麦茶を取り入れるためのポイントです。
赤ちゃんが母乳やミルクまで飲まない、尿が減る、ぐったりするなどの変化があるときは、麦茶の飲ませ方を工夫するだけで解決しようとせず、小児科や地域の保健師に相談してください。