2022年のサッカー日本代表は、カタールで開催されたFIFAワールドカップでドイツとスペインを破り、グループEを首位で突破した。世界王者経験のある強豪国を相次いで撃破した一方、コスタリカには敗れ、決勝トーナメント1回戦ではクロアチアにPK戦で惜敗。大きな歓喜と課題の両方が残る大会となった。
2026年に振り返ると、森保一監督が率いた2022年の代表は、日本サッカーの国際的な評価を高めた重要なチームだった。日本サッカー協会(JFA)の公式発表に基づく招集メンバー26人、スタッフ、年間18試合の日程・結果を整理し、ドイツ戦・スペイン戦の勝因、歴代代表との比較、2026年の最新動向まで詳しく解説する。
【サッカー日本代表2022】カタールW杯の成績と大会の全体像

2022年の日本代表を象徴する出来事は、FIFAワールドカップ・カタール大会のグループステージで起きた。森保一監督率いる日本は、ドイツ、コスタリカ、スペインと同じグループEに入り、強豪国との対戦が続く厳しい組み合わせとなった。
大会前の予想では、2014年ブラジル大会の優勝国ドイツと2010年南アフリカ大会の優勝国スペインが有力視され、日本がグループを突破するには厳しい戦いが予想された。しかし、日本は初戦でドイツに2-1で逆転勝利。第2戦ではコスタリカに0-1で敗れたものの、最終戦でスペインを再び2-1で破り、グループ首位で決勝トーナメント進出を決めた。
グループEの最終順位は、日本が勝ち点6で1位、スペインが勝ち点4で2位、ドイツが勝ち点4で3位、コスタリカが勝ち点3で4位。日本は強豪2か国に勝利しながら、コスタリカ戦で勝ち点を落とすという波のある戦いを見せた。
決勝トーナメント1回戦の相手はクロアチア。日本は前半に前田大然のゴールで先制したが、後半にイバン・ペリシッチに同点ゴールを許し、1-1で延長戦を終えた。PK戦では1-3で敗れ、悲願のベスト8進出には届かなかった。
それでも、優勝経験国のドイツとスペインを同一大会で破り、2大会連続で決勝トーナメントに進んだ実績は大きい。2022年の日本代表は、結果だけでなく、試合中の修正力や選手層の厚みが世界に示されたチームだった。
【全26人を紹介】2022 FIFAワールドカップ日本代表メンバーとスタッフ
JFAは2022年11月1日、カタールW杯に臨む日本代表メンバーを発表した。招集された選手は26人で、GKが3人、フィールドプレーヤーが23人。大会直前には負傷によるメンバー変更もあり、最終的な登録メンバーには町野修斗が入った。
以下は、JFA公式の招集メンバー情報をもとに、選手を主な役割別に整理した一覧だ。実際のポジションや起用法はシステムによって変わるため、DF・MF・FWの分類は選手の登録区分そのものではなく、プレーの特徴を把握するための目安としている。
ゴールキーパー(GK)3人
- 川島永嗣:経験豊富なベテランGK。国際大会での経験をチームにもたらした。
- 権田修一:大会で主力GKを務め、ドイツ戦やスペイン戦などで重要なセーブを見せた。
- シュミット・ダニエル:欧州でプレーしていた大型GK。GK陣の選択肢を支えた。
ディフェンダー(DF)8人
- 長友佑都
- 吉田麻也
- 酒井宏樹
- 谷口彰悟
- 山根視来
- 板倉滉
- 冨安健洋
- 伊藤洋輝
長友、吉田、酒井といった経験豊富な選手に、板倉、冨安、伊藤ら欧州で経験を積んだ選手が加わった構成だった。センターバックとサイドバックを複数の選手で組み替えられることは、対戦相手に応じて守備の形を変えるうえで重要だった。
ミッドフィルダー(MF)11人
- 柴崎岳
- 遠藤航
- 伊東純也
- 守田英正
- 鎌田大地
- 相馬勇紀
- 三笘薫
- 堂安律
- 田中碧
- 久保建英
- 南野拓実
中盤の構成力を支えたのは、遠藤航と守田英正を中心としたボール奪取や配球、鎌田大地らの攻撃へのつなぎだった。加えて、伊東純也、三笘薫、堂安律、久保建英など、サイドや前線で個人技を発揮できる選手がそろっていた点も特徴だ。
フォワード(FW)4人
- 浅野拓磨
- 前田大然
- 上田綺世
- 町野修斗
浅野はドイツ戦で逆転ゴールを決め、前田はスペイン戦で先制点につながる前線からの守備を担い、クロアチア戦では先制ゴールを挙げた。上田と町野も含め、異なる特徴を持つFWをそろえたことで、相手や試合展開に応じた選択肢を確保していた。
監督・コーチ・スタッフ
- 監督:森保一
- コーチ:横内昭展、齊藤俊秀、上野優作
- フィジカルコーチ:松本良一
- GKコーチ:下田崇
- テクニカルスタッフ:中下正樹、酒井清隆、佐藤高拓
監督の森保一は、選手の特徴を生かした戦術変更と交代策で大会を戦った。特にドイツ戦とスペイン戦では、試合の途中から攻撃の形を変え、交代選手が得点に絡む展開を生み出した。JFAの発表資料では、監督・コーチだけでなく、フィジカルやGK、テクニカル面を支えるスタッフも確認できる。
大会直前のメンバー変更にも注目
2022年11月8日、JFAは中山雄太が負傷のため大会に参加できなくなり、代わりに町野修斗を招集すると発表した。町野の背番号は20となった。大会メンバーを調べる際は、11月1日の当初発表だけでなく、この変更発表も合わせて確認することが大切だ。
【年間18試合を総整理】2022年サッカー日本代表の日程・結果一覧
2022年の日本代表は、W杯本大会だけを戦っていたわけではない。年初にはカタールW杯アジア最終予選を戦い、6月には国際親善試合やキリンカップ、7月にはEAFF E-1サッカー選手権、秋には欧州遠征とW杯直前の調整試合に臨んだ。
JFA公式の「2022年スケジュール・結果」に掲載されたA代表の試合を、日本時間の日付で整理すると次のとおりだ。1月21日に予定されていたウズベキスタン戦は中止となっているため、以下の表には実施された18試合を掲載した。
| 開催日 | 大会・試合区分 | 対戦相手 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 1月27日 | アジア最終予選 | 中国 | ○ 2-0 |
| 2月1日 | アジア最終予選 | サウジアラビア | ○ 2-0 |
| 3月24日 | アジア最終予選 | オーストラリア | ○ 2-0 |
| 3月29日 | アジア最終予選 | ベトナム | △ 1-1 |
| 6月2日 | キリンチャレンジカップ | パラグアイ | ○ 4-1 |
| 6月6日 | キリンチャレンジカップ | ブラジル | ● 0-1 |
| 6月10日 | キリンカップ | ガーナ | ○ 4-1 |
| 6月14日 | キリンカップ | チュニジア | ● 0-3 |
| 7月19日 | EAFF E-1サッカー選手権 | 香港 | ○ 6-0 |
| 7月24日 | EAFF E-1サッカー選手権 | 中国 | △ 0-0 |
| 7月27日 | EAFF E-1サッカー選手権 | 韓国 | ○ 3-0 |
| 9月23日 | キリンチャレンジカップ | アメリカ | ○ 2-0 |
| 9月27日 | キリンチャレンジカップ | エクアドル | △ 0-0 |
| 11月17日 | 国際親善試合 | カナダ | ● 1-2 |
| 11月23日 | カタールW杯・グループE | ドイツ | ○ 2-1 |
| 11月27日 | カタールW杯・グループE | コスタリカ | ● 0-1 |
| 12月1日 | カタールW杯・グループE | スペイン | ○ 2-1 |
| 12月6日 | カタールW杯・決勝トーナメント1回戦 | クロアチア | △ 1-1(PK 1-3で敗退) |
年間の経緯を大きく分けると、年初はアジア最終予選の突破を確実にし、夏は国内組を含む選手の発掘と戦力確認、秋はW杯本大会を見据えた戦術の調整、そして11月以降は世界の強豪との本番勝負へと移っていった。
6月にはパラグアイとガーナに4得点で勝利した一方、ブラジルには0-1、チュニジアには0-3で敗れた。9月の欧州遠征ではアメリカを2-0で破ったものの、エクアドルとは0-0。W杯直前のカナダ戦も1-2で落としており、本大会の躍進は、年間を通して一貫して勝ち続けた結果というよりも、重要な局面で戦い方を機能させた成果だった。
【ドイツ戦・コスタリカ戦・スペイン戦】明暗を分けた3試合の分析
ドイツ戦:交代策が逆転劇につながった
2022年11月23日、日本はドイツと対戦し、2-1で勝利した。前半にイルカイ・ギュンドアンのPKで先制を許したものの、後半に堂安律が同点ゴールを決め、浅野拓磨が逆転弾を記録した。
この試合の大きな特徴は、前半と後半で攻撃の形が変わったことだ。日本は後半、前線の選手を投入して攻撃の圧力を高め、相手守備の背後を狙う形を強めた。堂安と浅野という途中出場の選手が得点したことは、控え選手の質と交代策の重要性を示している。
ドイツにボールを保持される時間が長くても、試合の勝敗は支配率だけでは決まらない。日本は限られた攻撃機会を得点に結びつけ、守備から攻撃への切り替えで勝機をつかんだ。
コスタリカ戦:主導権を持っても得点できなかった
11月27日のコスタリカ戦は、日本にとって痛恨の0-1だった。ドイツ戦の勝利を受けて連勝への期待が高まったが、相手の守備を崩し切れず、後半にケイセル・フレールのゴールを許した。
ドイツ戦とスペイン戦では、相手が攻撃に人数をかける状況を利用し、ボールを奪った後の速い攻撃で得点を奪った。一方、コスタリカは守備を固める時間が長く、日本は攻撃スペースを見つけにくかった。相手にボールを持たせて戦う形と、自ら攻撃を組み立てる形では、必要な技術や判断が異なる。
この敗戦は、強豪相手のカウンターに強いことと、守備を固めた相手から得点することが別の課題であると示した。2022年の日本代表を評価する際には、番狂わせの勝利だけでなく、この試合で露呈した攻撃面の課題も押さえておきたい。
スペイン戦:後半の連続ゴールでグループ首位へ
12月1日のスペイン戦は、日本が2-1で勝利した。前半11分にアルバロ・モラタのゴールで先制されたが、後半に堂安律が同点ゴールを決め、田中碧が逆転ゴールを挙げた。
後半開始直後に三笘薫と堂安律が投入されるなど、日本は攻撃の推進力を高めた。堂安の強烈なシュートで同点とすると、その直後には三笘がゴールライン際でボールを折り返し、田中が押し込んだ。VARによる確認を経てゴールが認められた場面は、この大会を象徴するシーンの一つとなった。
この勝利によって日本は勝ち点6を獲得し、グループEを首位で通過した。ドイツ戦とスペイン戦の共通点は、相手にボールを持たれる時間があっても、後半に選手を入れ替え、攻撃の強度とスピードを高めたことだ。森保監督の采配と選手の実行力が結びついた試合だった。
クロアチア戦:ベスト8進出を阻んだPK戦
決勝トーナメント1回戦のクロアチア戦では、前田大然が前半に先制したものの、後半にペリシッチのヘディングで追いつかれた。延長戦でも決着がつかず、PK戦は1-3。日本はベスト16で大会を終えた。
グループステージで強豪国を破った日本にとって、次の目標は初のベスト8だった。クロアチア戦では先制に成功し、延長戦まで互角に渡り合ったが、最後はPK戦で差がついた。ドイツとスペインを倒した実績と、決勝トーナメントを勝ち上がるための総合力は分けて評価する必要がある。
【歴代日本代表と比較】2022年の強みと残された課題
日本代表は2002年の日韓大会、2010年の南アフリカ大会、2018年のロシア大会、そして2022年のカタール大会で、ワールドカップのベスト16に進出している。2022年は決勝トーナメント進出が2大会連続となり、強豪国を倒してグループ首位に立った点で、特に印象的な大会だった。
過去の大会と比較すると、2022年の特徴は、単に決勝トーナメントに進んだことだけではない。ドイツとスペインという優勝経験国を同じグループで破ったうえ、後半の交代策や選手個々のスピードを生かして試合の流れを変えたことが大きい。
ただし、歴代チームの優劣をベスト16という結果だけで決めることはできない。対戦相手、組み合わせ、選手のコンディション、試合方式は大会ごとに違う。2010年はパラグアイとのPK戦、2018年はベルギーに2-3で敗れ、2022年はクロアチアにPK戦で敗れた。いずれもベスト8まであと一歩に迫りながら、決勝トーナメントで勝ち切ることが課題として残った。
2022年の代表を評価する3つの基準
- 強豪国との対戦力:ドイツとスペインに勝利したことは、世界トップレベルの相手にも勝機を作れることを示した。
- 試合中の修正力:途中出場の堂安や浅野らが得点に絡み、後半の戦術変更が結果につながった。
- 試合展開への対応力:守備を固めるコスタリカを崩せなかったことから、ボールを保持して主導権を握る展開での得点力は課題として残った。
2022年のチームは、個々の選手が欧州のクラブで積み上げた経験と、代表としての戦術的なまとまりを組み合わせた世代だった。歴代代表との比較では、強豪を倒す力が高まった一方、トーナメントを勝ち抜くためには、相手の戦術に応じた攻撃の引き出しと、試合終盤の決定力をさらに高める必要がある。
【2026年最新動向】カタール大会から現在の日本代表へ
2026年10月25日時点の日本代表は、北中米3か国共催のFIFAワールドカップ2026を終え、秋の国際試合を戦っている。2026年大会では、グループステージでオランダと2-2、チュニジアに4-0、スウェーデンと1-1という結果を残した。グループステージを突破したものの、ラウンド32でブラジルに1-2で敗れた。
2022年大会の日本は、ドイツとスペインに勝利してグループ首位となり、決勝トーナメント1回戦でクロアチアに敗れた。2026年大会では大会方式が変わり、決勝トーナメントの最初の段階がラウンド32となったため、両大会の成績を比較する際は、同じ「ベスト16」という表現だけで判断しないことが重要だ。
JFAの2026年試合日程・結果によると、W杯後の日本は9月24日にウルグアイを3-1で破り、9月28日にはベネズエラに2-1で勝利した。10月1日のエクアドル戦は0-0からPK戦を5-4で制し、10月5日のニュージーランド戦は2-1で勝利している。W杯での敗退後も、異なるスタイルの相手と対戦しながらチームを整える活動が続いている。
今後の日程として、JFAの2026年スケジュールには11月14日のブラジル戦、11月17日のパラグアイ戦が掲載されている。2022年大会で世界を驚かせた日本が、次の国際大会に向けてどのように戦力を整えるかを追ううえで、こうした強豪国との試合は重要な判断材料となる。
【プロの結論】2022年代表から学べること
2022年の日本代表を正しく評価するには、ドイツ戦やスペイン戦の勝利だけを切り取るのではなく、年間を通した準備、本大会での交代策、コスタリカ戦での課題、クロアチア戦での敗退までを一続きの過程として見る必要がある。
強豪国に勝つ力は、相手の弱点を突く戦術と、チャンスを得点に変える個人の力によって生まれる。一方、グループステージを安定して突破し、決勝トーナメントで勝ち進むには、相手が守備を固めた場合の攻撃、試合を管理する力、PK戦を含む終盤の対応も欠かせない。
2022年の代表は、日本が世界の強豪を相手に勝利を目指せることを証明したチームだった。同時に、ベスト8進出という次の目標に向けて、攻撃の多様性と勝負どころでの決定力を高める必要性も浮き彫りにした。歴代代表との比較や2026年の動向を追う際には、この両面を評価軸にすると、結果の背景をより深く理解できる。
【サッカー日本代表2022】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2022年の日本代表はワールドカップで何位でしたか?
A1:グループEを2勝1敗、勝ち点6で首位通過し、決勝トーナメント1回戦でクロアチアに1-1からのPK戦で1-3と敗れました。大会の最終成績はベスト16です。
Q2:カタールW杯の日本代表メンバーは何人でしたか?
A2:登録メンバーは26人です。GKが川島永嗣、権田修一、シュミット・ダニエルの3人で、フィールドプレーヤーは23人でした。大会直前の負傷による変更で、中山雄太に代わって町野修斗が招集されました。
Q3:日本代表はドイツとスペインにどうやって勝ったのですか?
A3:両試合とも後半に攻撃の形を変え、交代選手の活躍を得点につなげました。ドイツ戦では堂安律と浅野拓磨、スペイン戦では堂安律と田中碧が得点。守備から攻撃への切り替えと、後半の選手交代が勝利の大きな要因となりました。
Q4:2022年の日本代表は年間で何試合戦いましたか?
A4:JFAの2022年試合日程・結果に掲載された、実施済みのA代表の試合は18試合です。アジア最終予選、国際親善試合、キリンカップ、E-1サッカー選手権、カタールW杯本大会が含まれます。
Q5:2022年大会と2026年大会の違いは何ですか?
A5:2022年大会はグループステージを突破した後、ラウンド16から決勝トーナメントが始まりました。2026年大会は出場国が48か国に拡大し、ラウンド32が設けられています。日本は2026年大会でグループステージを突破しましたが、ラウンド32でブラジルに1-2で敗れました。
まとめ:サッカー日本代表2022の成果と今後の評価ポイント
2022年のサッカー日本代表は、カタールW杯でドイツとスペインを破り、グループEを首位で突破した。森保一監督の采配、堂安律や浅野拓磨ら途中出場選手の活躍、守備から攻撃への素早い切り替えが、世界に強い印象を残した。
一方、コスタリカ戦では守備を固めた相手への攻撃に課題が見られ、クロアチア戦ではPK戦で敗退。ベスト8進出という目標は達成できなかった。年間18試合の結果を振り返ると、本大会の成功は年間を通した準備の積み重ねと、重要な試合で戦術が機能したことの両方によって支えられていたと分かる。
2026年の日本代表を追ううえでも、2022年大会は欠かせない比較対象だ。強豪国を倒す力に加え、相手の守備戦術への対応、試合終盤の安定感、決勝トーナメントで勝ち切る力が今後の評価ポイントとなる。JFAの公式発表や試合記録を確認しながら、選手の世代交代とチーム戦術の変化を追うことで、日本代表の現在地と次の目標が見えてくる。