大相撲の元幕内力士・英乃海拓也(ひでのうみ・たくや)さんは、東京都江戸川区出身、木瀬部屋所属として14年間にわたり土俵に立ち、東前頭6枚目まで昇進した力士です。2026年3月の春場所を最後に現役を引退し、同年4月3日には両国国技館で引退会見を開きました。そして10月3日には、同じ国技館で断髪式が行われ、弟の翔猿との最後の一番も実現しました。
引退の直接的なきっかけは何だったのか。本名や身長・体重、幕内での成績、翔猿との兄弟関係、そして第2の人生はどうなるのか。日本相撲協会の公式プロフィールと、日刊スポーツ、スポニチ、デイリースポーツなどの報道をもとに、2026年10月27日時点の最新情報を整理します。
【英乃海拓也とは?】本名・身長・体重・最高位を詳しく紹介

英乃海拓也さんは、1989年6月11日生まれ、東京都江戸川区出身の元大相撲力士です。本名は岩崎拓也。四股名の「英乃海」は「ひでのうみ」と読みます。2026年10月現在は37歳で、2026年3月場所を最後に現役生活を終えています。
日本相撲協会の公式プロフィールによると、身長は186.0cm、体重は154.7kg。得意技は右四つと寄りで、相手と組んで前へ出る相撲を持ち味としていました。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 四股名 | 英乃海拓也(ひでのうみ・たくや) |
| 本名 | 岩崎拓也 |
| 生年月日 | 1989年6月11日 |
| 出身地 | 東京都江戸川区 |
| 身長・体重 | 186.0cm・154.7kg(日本相撲協会公式プロフィール) |
| 所属部屋 | 木瀬部屋 |
| 得意技 | 右四つ・寄り |
| 最高位 | 東前頭6枚目(2021年5月場所) |
| 初土俵 | 2012年5月場所 |
| 新十両 | 2014年11月場所 |
| 新入幕 | 2015年7月場所 |
| 引退場所 | 2026年3月場所 |
| 生涯戦歴 | 541勝539敗22休(83場所) |
| 幕内戦歴 | 70勝108敗17休(13場所) |
成績を見るうえで注目したいのは、幕内優勝こそなかったものの、十両優勝1回を含む実績を残し、幕内と十両を中心に長く現役を続けた点です。日本相撲協会の公式プロフィールでは、序二段優勝1回、序ノ口優勝1回も記録されています。
最高位は横綱や大関ではなく、前頭6枚目。それでも、幕内という大舞台に13場所在位し、通算83場所を戦い抜いたことは、英乃海の力士人生を理解するうえで欠かせない数字です。
【英乃海の経歴】江戸川区から木瀬部屋、最高位までの歩み
英乃海が相撲を始めたのは7歳ごろです。断髪式の公式案内では、江戸川区立上一色小学校1年生のころに相撲と出会ったと紹介されています。少年時代から競技を続け、埼玉栄高校、日本大学へと進み、学生相撲で経験を積みました。
2012年5月場所で初土俵を踏むと、2014年11月場所で新十両、2015年7月場所で新入幕を果たします。入門から約3年で幕内に到達したことになり、プロ入り後の成長を示す節目となりました。
その後のキャリアで大きな転機となったのが、2021年です。断髪式の公式案内によると、同年3月場所で自身初の幕内2桁勝利となる10勝を挙げ、弟の翔猿も同じ場所で10勝を記録しました。この好成績を受け、英乃海は翌5月場所で自己最高位の東前頭6枚目に昇進しています。
一方、相撲人生は順風満帆だったわけではありません。2023年には幕下へ陥落したものの、東幕下2枚目で5勝2敗を挙げ、1場所で十両に復帰。2025年7月場所には、東十両2枚目で9勝6敗を記録した後、21場所ぶりに幕内へ戻りました。上位進出だけでなく、番付を落としてから再び関取、幕内へと戻る粘りも、英乃海の経歴を語るうえで大切です。
こうした経歴を振り返ると、英乃海は最高位への到達だけで評価される力士ではありません。幕下陥落からの復帰や、幕内への再昇進を経験しながら、長期間にわたって土俵に立ち続けたことにも価値があります。
【英乃海の引退理由】2026年春場所で何が起きたのか
英乃海の引退理由を理解するには、2026年3月場所の成績を確認する必要があります。引退を決めた直接的なきっかけは、幕下から十両への復帰を目指して出場した春場所で、負け越しが決まったことでした。
当時の番付は西幕下3枚目。英乃海は3勝3敗で最終盤を迎え、7番相撲で十両の藤天晴と対戦しました。しかし、この一番に敗れて3勝4敗となり、負け越しが決定。来場所の十両復帰を逃しました。
日刊スポーツなどの引退会見報道によると、英乃海は最後の取組を終えてから師匠の木瀬親方に引退の意向を伝えました。会見では「悔いはなくホッとしています」と心境を説明しています。
本人の説明で重要なのは、単に幕下へ落ちたことだけで引退を決めたわけではない点です。再び関取に戻る希望を持って春場所に臨み、3勝3敗から最後の一番に敗れたことで決断に至りました。十両復帰への挑戦を終えたことが、引退を具体化させたのです。
また、師匠の木瀬親方は会見で、英乃海について「体はボロボロ、覚悟していた」といった趣旨の言葉で労をねぎらっています。長年の現役生活による身体的な負担も背景にあったことがうかがえます。ただし、引退の直接的な理由として本人が説明したのは、春場所での負け越しと、その結果を受けた決断です。
日本相撲協会は2026年3月23日、英乃海から提出された引退届を受理したと公式に発表しました。これにより、2012年5月場所から続いた14年間の大相撲力士生活に幕が下りました。
なお、英乃海には2022年に違法賭博への関与をめぐり、1場所出場停止と2か月間の報酬20%減額の処分を受けた過去もあります。これは当時の日本相撲協会の処分と報道で確認できる事実ですが、2026年の引退について本人が説明した直接の理由は、春場所での負け越しと十両復帰を逃したことです。過去の処分と今回の引退理由を混同しないことが大切です。
【英乃海の引退会見】弟・翔猿との兄弟関係と語った本音
2026年4月3日、英乃海は東京・両国国技館で引退会見を行いました。会見には師匠の木瀬親方も同席し、14年間の現役生活を振り返るとともに、引退を決めた経緯や今後の目標について語りました。
会見で印象的だったのは、本人が「本当にホッとしています」と話したことです。長く続けてきた競技生活を終える心境について、ひとつの区切りを迎えたという受け止め方を示しました。「悔いはない」という言葉にも、最後まで現役を続け、納得したうえで決断したという思いが表れています。
もうひとつ注目されたのが、実弟の翔猿との関係です。英乃海は兄、翔猿は弟で、2人はともに埼玉栄高校、日本大学へ進みました。しかし、プロ入り後は英乃海が木瀬部屋、翔猿が追手風部屋と、別々の相撲部屋に所属しました。
英乃海は弟を木瀬部屋に誘っていたものの、翔猿は追手風部屋を選択。引退会見では、弟が自身よりも強さと知名度を高めていったことに対する複雑な気持ちも明かしています。一方で、「翔猿のお兄さんなんですよね」と声をかけられることはうれしかったと語り、弟の活躍を喜ぶ兄としての一面も見せました。
2人の最高位を比較すると、英乃海は東前頭6枚目、翔猿は小結です。弟が兄を番付で上回ったことは事実ですが、それだけで兄弟の関係を勝ち負けだけで語ることはできません。英乃海は会見で、弟に少しでも長く現役を続けてほしいというエールも送りました。
本場所では、兄弟など近親者同士の取組は原則として組まれません。そのため、同じ幕内で活躍した時期があっても、英乃海と翔猿が本場所で対戦することはありませんでした。この事情が、後述する断髪式での最後の一番を特別なものにしています。
【英乃海の断髪式】2026年10月3日、両国国技館で実現した最後の一番
英乃海の断髪式は、2026年10月3日に東京・両国国技館で行われました。春場所限りで引退してから約6か月後に、14年間の力士人生を締めくくる節目を迎えたことになります。
断髪式は、現役力士が長年結ってきた大銀杏に関係者が順番にはさみを入れ、最後に師匠が止めばさみを入れる伝統的な儀式です。英乃海の式では、横綱・豊昇龍ら約300人がはさみを入れ、最後は師匠の木瀬親方が大銀杏に別れを告げるはさみを入れました。
この日の大きな見どころとなったのが、弟・翔猿との最後の一番です。英乃海と翔猿は、それぞれ木瀬部屋と追手風部屋に所属していたため、通常の本場所で対戦する機会はありませんでした。アマチュア時代にも対戦経験がなく、巡業で一度胸を合わせた程度だったと報じられています。
最後の取組では、英乃海が出し投げで相手の体勢を崩して寄り切り、白星を挙げました。現役幕内力士として活躍する翔猿を相手に、兄が最後の一番を勝利で飾ったのです。
取組後、英乃海は弟の強さを認めながらも、最後の一番では手加減してくれたのではないかという趣旨のコメントを残しました。翔猿も「思ったより強かった」と笑顔で語り、兄弟ならではのやり取りを見せました。
断髪後、スーツ姿で土俵に上がった英乃海は、集まった人々への感謝を伝えました。神戸新聞などの報道によると、本人は相撲をやってきてよかったという思いを語り、本場所では聞かないほどの声援を受けたことを喜んでいました。
断髪式は、髪を切って現役生活に別れを告げるだけの儀式ではありません。英乃海の場合は、師匠や仲間、支援者に感謝を伝える場であると同時に、長年同じ競技に取り組んできた弟と最後に相撲を取る場にもなりました。14年間の節目を象徴する一日だったといえます。
【英乃海の現在】第2の人生は不動産業へ、宅建資格にも意欲
2026年10月現在、英乃海は大相撲を引退し、断髪式も終えています。次に関心を集めているのが、現役引退後の仕事や生活です。
4月3日の引退会見で、英乃海は中学校の同級生が都内で経営する不動産会社に就職する予定だと明かしました。職種は営業になる見込みで、働きながら宅地建物取引士、いわゆる宅建の資格取得も目指す考えを示していました。
本人は会見で、長い間相撲に打ち込んできたため、一般社会については知らないことも多いと率直に話しています。新しい仕事に対して不安と期待の両方があるとしながらも、これからの生活に向けて意欲を見せました。
その後、10月3日の断髪式では、今後について「のんびりとやっていく」という趣旨のコメントも報じられています。引退会見で示した不動産業への挑戦という方向性と、長い競技生活を終えて新生活を始める心境の両方がうかがえます。
ただし、会見で明かされたのは就職予定と資格取得への意欲であり、宅建資格をすでに取得したという発表ではありません。2026年10月時点で報道から確認できるのは、不動産業への転身を目指す意向と、断髪式を終えて新たな生活に進んでいるという状況です。
力士の引退後には、相撲協会に残って後進を指導する道だけでなく、一般企業への就職や事業への挑戦など、さまざまな選択肢があります。英乃海が選んだのは、学生時代からのつながりを生かして一般社会で働く道でした。競技で培った粘り強さや、長年の経験を新しい職場でどう生かしていくかが、これからの注目点になります。
【プロの結論】英乃海の土俵人生を評価する3つの視点
英乃海の経歴を評価する際は、最高位だけでなく、長いキャリアの中で何を積み重ねたのかに目を向ける必要があります。ここでは、成績、再起、引退後という3つの視点から、その土俵人生を整理します。
第一に、最高位と通算成績は分けて評価することです。英乃海の最高位は東前頭6枚目で、幕内優勝や三賞の受賞歴はありません。一方、生涯戦歴は541勝539敗22休、83場所に及びます。最高位だけを見れば上位進出の実績には限りがありますが、長期間にわたり関取と幕内を経験したキャリアまで含めて評価することが大切です。
第二に、番付を落としてからの復帰も実績として見ることです。英乃海は幕下陥落後に十両へ復帰し、さらに2025年には21場所ぶりの幕内復帰を果たしました。最高位を更新することだけが力士の価値ではありません。厳しい番付の変動を経験しながら、再び上の舞台を目指した歩みも、競技人生の重要な一部です。
第三に、引退後の選択も本人のキャリアの一部として捉えることです。2026年春場所で十両復帰を逃した後、英乃海は引退を決断しました。4月の会見では不動産業への挑戦と宅建資格への意欲を語り、10月には断髪式を終えています。現役時代の成績だけで人物を評価するのではなく、長年続けた競技に区切りをつけ、新しい分野へ進む姿にも注目したいところです。
また、過去の不祥事に関する情報を調べる際には、発生した時期、相撲協会の処分内容、2026年の引退理由を分けて理解が必要です。過去の処分が存在したことと、今回の引退の直接的なきっかけが春場所での負け越しだったことは、両立する別々の事実です。
英乃海の土俵人生は、最高位への到達、幕下からの復帰、弟・翔猿との競争、そして引退後の新たな挑戦まで、複数の節目で形作られています。その全体像を押さえることが、単なる引退ニュース以上に人物を理解するための手がかりになります。
【英乃海】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:英乃海の引退理由は何ですか?
A1:2026年3月の春場所で西幕下3枚目として3勝4敗と負け越し、十両復帰を逃したことが直接的なきっかけです。3勝3敗で迎えた最後の一番に敗れ、取組後に師匠の木瀬親方へ引退の意向を伝えました。
Q2:英乃海の最高位と通算成績は?
A2:最高位は2021年5月場所の東前頭6枚目です。日本相撲協会の公式プロフィールによると、生涯戦歴は541勝539敗22休(83場所)、幕内戦歴は70勝108敗17休(13場所)です。
Q3:英乃海と翔猿は本当の兄弟ですか?
A3:はい、実の兄弟です。英乃海が兄、翔猿が弟で、学生時代は埼玉栄高校、日本大学へと同じ進路を歩みました。プロ入り後は英乃海が木瀬部屋、翔猿が追手風部屋に所属し、2026年10月3日の断髪式で最後の一番を実現しました。
Q4:英乃海の断髪式はいつ、どこで行われましたか?
A4:2026年10月3日に東京・両国国技館で行われました。横綱・豊昇龍ら約300人がはさみを入れ、最後は師匠の木瀬親方が止めばさみを入れました。弟の翔猿との取組では、英乃海が寄り切りで勝利しています。
Q5:英乃海は引退後、何をしていますか?
A5:2026年4月の引退会見では、都内の不動産会社で営業職に就く予定を明かし、宅地建物取引士の資格取得にも意欲を示しました。10月の断髪式後には、今後について「のんびりとやっていく」という趣旨の発言も報じられています。資格取得や勤務状況の詳細については、会見時の予定と、その後に公表された情報を区別して捉える必要があります。
まとめ:英乃海の現在と第2の人生を見守るために
英乃海拓也さんは、東京都江戸川区で相撲を始め、木瀬部屋で14年間の現役生活を送りました。最高位は東前頭6枚目。生涯戦歴541勝539敗22休という数字が示すとおり、幕内での活躍だけでなく、番付を落としてから再び上を目指した経験も持つ力士です。
引退の直接的なきっかけは、2026年春場所での3勝4敗という負け越しでした。4月3日の引退会見で本人は「悔いはない」と語り、10月3日には両国国技館で断髪式を実施。弟・翔猿との最後の一番を白星で飾り、師匠や仲間、支援者、ファンに見送られながら土俵人生を締めくくりました。
引退後は不動産業への挑戦を予定し、宅建資格の取得にも意欲を示しています。今後の勤務状況や資格取得など、新しい生活の具体的な進展にも関心が集まりそうです。
英乃海を知るうえで大切なのは、最高位だけで人物を判断せず、長い現役生活、再起への努力、弟との関係、そして引退後の選択までを一続きのキャリアとして捉えることです。14年間の土俵人生を終えた英乃海が、第2の人生でどのような歩みを重ねていくのか、今後も注目されます。