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またたびとは?猫が反応する理由と成分、適量・危険性を2026年最新研究から徹底解説

星野 慶太 星野 慶太 • 更新: • 公開: • 読了約 18 分
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またたびとは、マタタビ科マタタビ属に分類される落葉性のつる植物で、猫がにおいを嗅ぐと体をくねらせたり、床を転がったりすることで知られています。正式な学名は「Actinidia polygama」。日本各地の山地に自生し、初夏に葉の一部が白くなることも特徴です。

猫がまたたびに反応する理由は、単に強いにおいが好きだからではありません。マタタビラクトンと呼ばれてきた成分群に加え、ネペタラクトールやアクチニジンなどの化学物質が関係しており、2021年以降の研究では、猫の神経系の反応や蚊を遠ざける働きとの関連も明らかになってきました。一方、依存性や中毒性の心配がまったくないと断言することも、すべての猫に同じ効果があると考えることも適切ではありません。2026年現在の研究と獣医師の解説を踏まえ、成分の仕組みから適切な量・頻度、子猫や体の弱い猫への注意点まで整理します。

【またたびとは】植物の特徴と葉が白くなる理由

またたびとは

またたびは、日本をはじめ東アジアの山地などに分布する落葉性のつる植物です。植物学上はマタタビ科マタタビ属に属し、学名はActinidia polygama。同じマタタビ科にはキウイフルーツの仲間も含まれます。

植物としてのまたたびと、ペットショップなどで販売されている猫用のまたたび製品は、区別して考える必要があります。前者は生きた植物そのものを指し、後者には乾燥した枝葉、粉末、実の加工品、スプレー、おもちゃなど、さまざまな形態があります。成分の種類や濃度、猫が接触する方法は製品によって異なります。

またたびの葉はなぜ白くなる?

またたびの特徴の一つが、初夏から開花期にかけて、枝先の葉の一部が白く見えることです。日本薬学会の解説や植物学の資料でも、この性質が紹介されています。花が葉陰に隠れて咲くため、白い葉が昆虫に花の位置を知らせているのではないか、という説があります。

ただし、白くなる理由を「花粉を運ぶ昆虫を呼ぶため」とだけ説明するのは正確ではありません。岡山理科大学の植物資料では、白い部分にも葉緑素が存在し、葉の表面を傷つけると緑色に見えることなどから、光の乱反射を生じさせる表面構造が関係すると考察されています。白い部分が必ずしも花のすぐ近くにあるわけではなく、白化の生態的な役割には検討の余地があります。

また、またたびの実には、通常の楕円形の果実のほか、昆虫の産卵によって変形した丸く膨らんだ果実が見られることがあります。後者は「虫こぶ」と呼ばれ、生薬として「木天蓼(もくてんりょう)」の名でも知られています。ただし、人間向けの生薬としての利用と、猫に与えるための製品の安全性は別の問題です。

【猫がまたたびに反応する理由】成分と作用の仕組み

猫がまたたびに反応すると、顔や頭をこすりつける、床を転がる、葉をなめる、かむ、よだれを垂らすといった行動が見られることがあります。反応の強さや行動の組み合わせには個体差があり、興奮する猫もいれば、においを嗅ぐだけで終わる猫もいます。

マタタビラクトンだけでは説明できない

以前は、またたびに含まれる「マタタビラクトン」と呼ばれる化合物が、猫を夢中にさせる主な原因と考えられてきました。しかし、現在の研究では、それだけで反応のすべてを説明することはできません。

日本薬学会の「生薬の花」に掲載された解説でも、猫の特徴的な反応に関わる物質として、ネペタラクトールが紹介されています。2021年に学術誌『Science Advances』で発表された研究では、またたびに含まれるイリドイド系化合物の一つであるネペタラクトールが、猫の反応を引き起こす主要な成分として示されました。

猫の反応に関わる主な成分

  • ネペタラクトール:またたびに含まれるイリドイド系化合物。2021年の研究では、猫の特徴的な反応を引き起こす主要成分として示され、血中のβエンドルフィン濃度の上昇との関連も確認されました。
  • アクチニジン:またたびに含まれる成分の一つ。2022年に『BMC Biology』で発表された研究では、猫が植物に反応する仕組みを調べる中で、アクチニジンなどの揮発性化合物についても検討され、成分によって反応の仕組みが異なる可能性が示されました。
  • β-フェニルエチルアルコール:バラのような香りを持つ芳香性化合物。ペット用品の解説でまたたびの関連成分として紹介されることがありますが、猫の特徴的な反応を引き起こす中心的な成分として確立されているわけではありません。
  • その他のイリドイド系化合物:イリドミルメシン、ジヒドロネペタラクトンなども、またたびの猫誘引作用を研究するうえで重要な物質です。

つまり、「またたびには三つの成分があり、そのすべてが同じ仕組みで猫を酔わせる」と単純化するのは適切ではありません。植物に含まれる化合物の組み合わせや濃度、猫側の感受性によって反応が変わると考えられています。

2021年の研究で分かった、蚊よけとの意外な関係

2021年1月に『Science Advances』で発表された岩手大学などの研究では、猫がネペタラクトールに反応すると血中のβエンドルフィン濃度が上昇すること、また、μオピオイド受容体の働きを薬理学的に阻害すると、典型的な顔をこすりつける行動が抑えられることが報告されました。

加えて、猫が顔や頭を植物にこすりつけることで、成分が被毛に移り、蚊を遠ざける働きが生じることも示されました。2022年に発表された関連研究では、猫が植物の葉をかんだり傷つけたりすると、蚊を遠ざけるイリドイド系化合物の放出が増えることも報告されています。

この発見は、猫の反応が単なる遊びや偶然の行動ではなく、自然環境の中で何らかの適応的な利点を持つ可能性を示すものです。ただし、またたびを使えば蚊の対策が十分にできるという意味ではありません。室内外の蚊対策や感染症予防を、またたびで代替することはできません。

【またたびの効果】ストレス解消に役立つ?効かない猫もいる理由

猫にまたたびを与える主な目的は、嗅覚を刺激して遊びや探索のきっかけをつくることです。爪とぎ器やおもちゃに関心を持たせたいとき、室内での遊びに変化をつけたいときなどに活用できます。

反応した猫が体をくねらせたり、転がったりする様子から、飼い主にはリラックスしているように見えることがあります。一方で、反応が興奮に近い場合もあるため、すべての猫に同じ心理状態や効果が生じると考えるのは避けましょう。

またたびは猫に必須ではない

またたびは、猫が健康に生きるために欠かせない栄養素ではありません。適切に利用すれば環境エンリッチメントの一つになりますが、食事、運動、休息、安心できる生活環境の代わりにはなりません。

2025年4月に公開された「ねこのきもちWEB MAGAZINE」の記事では、同年3月にアプリ利用者267人を対象に行ったアンケートで、愛猫にまたたびを与えている人は46%、与えていない人は54%でした。この結果は全国の飼い主を代表する統計ではありませんが、またたびを使うことがすべての家庭で必須とされているわけではない実情がうかがえます。

反応しない猫に、無理に与える必要はない

またたびへの反応には個体差があります。猫の年齢や健康状態、においへの感受性などが影響し、すべての猫が同じように反応するわけではありません。また、一度反応した猫でも、短時間に繰り返し刺激を与えると反応が弱くなることがあります。

反応がないからといって、量を増やしたり、顔に近づけて無理に嗅がせたりするのは避けましょう。反応しない猫には、猫じゃらしや知育玩具、隠れ場所、上下運動ができる環境など、別の方法で刺激を与えるほうが適しています。

【またたびの安全な与え方】適切な量・頻度と製品の選び方

またたびを使うときは、猫が強く反応するかどうかよりも、少量で安全に試せるか、猫が自分の意思で離れられるかを重視しましょう。粉末、枝、スプレー、おもちゃなどでは成分の量や接触方法が異なるため、製品をまたいで同じ量を適用することはできません。

成猫に与える量と頻度の目安

「ねこのきもちWEB MAGAZINE」の獣医師解説では、平均的な体重の成猫について、粉末の場合は1回あたり約0.5gを目安とし、頻度は多くても週2回までに抑える方法が紹介されています。ただし、これはすべての製品に共通する標準用量ではありません。実際の使用では、製品のパッケージに記載された量と注意事項を優先してください。

初めて使う場合は、表示量を上限と考え、そこからさらに少ない量で反応を確認するのが無難です。製品に用量が示されていない場合や、成分濃度が分からない場合は、使用を急がず、メーカーや獣医師に相談しましょう。

製品別の使い方と注意点

製品タイプ 使い方の基本 注意点
粉末タイプ 表示された量を確認し、爪とぎ器やおもちゃなどにごく少量を使う。 袋の中身を一度に全部使わない。鼻や口に大量に入らないようにする。
枝・木製タイプ 猫用として販売されている製品を選び、短時間だけ使用する。 かみ砕いた破片やささくれによるけが、誤飲に注意し、使用中は見守る。
スプレータイプ 製品表示に従い、対象のおもちゃなどに使用する。 顔や目に直接噴霧しない。換気し、猫が嫌がる場合は使用を中止する。
またたび入りおもちゃ 遊びの選択肢として与え、猫が自由に近づいたり離れたりできるようにする。 破損や中身の漏れを確認し、誤飲のおそれがある場合は片づける。

使用後は猫の様子を観察する

使用中は、猫が自分から近づき、自分のタイミングで離れられるようにします。強く興奮する、ほかの猫に攻撃的になる、落ち着かなくなるなどの変化があれば、刺激を取り除いて静かに休める環境を整えましょう。

またたびは、短時間に何度も追加する必要はありません。すぐに反応しなくなっても、量を増やして反応を引き出そうとしないことが大切です。使う目的を「遊びのきっかけづくり」などに絞り、必要なときだけ取り入れると管理しやすくなります。

【依存性・中毒性・危険性】またたびは猫にとって安全なのか

またたびをめぐる不安の一つが、猫が依存症になったり、中毒を起こしたりするのではないかという点です。この問題を考える際には、通常の使用に関する研究結果と、過剰摂取や個々の健康状態に関するリスクを分けて捉える必要があります。

依存性については、研究で否定的な結果が示されている

2023年に発表された、またたびの嗅覚刺激としての安全性を検討した研究では、継続的に刺激に接触させた猫に、依存性を示す明確な行動上の特徴は確認されませんでした。また、ストレスの指標や肝臓・腎臓に関する血液検査の指標にも、研究条件下で有害な変化は認められませんでした。

同研究では、長期間にわたってイリドイド系成分に接触していた猫についても、肝臓や腎臓への重大な影響を示す所見は確認されていません。こうした結果は、適切な条件での使用について、依存性や臓器への悪影響を強く懸念する根拠が乏しいことを示しています。

ただし、研究で調べられた猫の数や使用条件には限界があります。あらゆる製品、あらゆる投与量、すべての病気や年齢の猫について、危険性が完全に否定されたわけではありません。「依存性が確認されていない」ことと「どれだけ与えても安全」ということは別です。

中毒性が心配なときに知っておきたいこと

通常の猫用製品を適量で使うことと、粉末や植物片を大量に摂取することは同じではありません。過剰に与えれば、猫に不要な刺激を与えたり、体調不良につながったりする可能性があります。枝などの破片を飲み込めば、成分そのものとは別に、誤飲や消化管への物理的な負担も問題になります。

使用後に嘔吐、ふらつき、呼吸の異常、強い興奮が続くなど、普段と違う症状が見られた場合は、ただちに使用を中止してください。大量に摂取した可能性がある場合や、症状が強い場合は、自己判断で様子を見続けず、動物病院に連絡しましょう。製品の容器や成分表示を手元に用意すると、相談時に役立ちます。

またたびの使いすぎは避けるべき

またたびを毎日のように繰り返し与えると、刺激への慣れによって反応が弱くなることがあります。これは、依存症になったことを意味するわけではありません。反応が薄れたからといって量や回数を増やすと、かえって猫に負担をかけるおそれがあります。

またたびは、猫の食欲不振や問題行動を解決する治療薬でもありません。食欲が落ちている猫に、食べさせる目的でまたたびを繰り返し使うのではなく、食欲不振の原因を動物病院で確認することが先決です。

【プロの結論】子猫・シニア猫・体の弱い猫はどう判断する?

またたびの安全な使い方で、特に慎重になりたいのが、成長途中の子猫や高齢猫、持病のある猫です。猫がまたたびに反応するかどうかと、健康上のリスクが低いかどうかは、別々に考えなければなりません。

子猫にはいつから与えてよい?

獣医師による一般向け解説では、嗅覚や神経系の発達を考慮し、またたびを使うのは生後6か月から1歳以降を目安にする考え方が紹介されています。ただし、この年齢はすべての猫に共通する安全性の保証ではありません。

生後間もない子猫には与えず、成長途中の猫についても、体格や健康状態に不安があれば、かかりつけの獣医師に相談してから判断しましょう。子猫が反応しないからといって、成猫と同じ量を与えたり、反応するまで繰り返し試したりすることは避けてください。

シニア猫や持病のある猫は、反応より健康状態を優先

高齢猫、心臓などに持病がある猫、体調が不安定な猫、投薬中の猫については、使用前に獣医師へ相談するのが安全です。特に、強い興奮や運動が身体への負担になり得る場合には、使用を控える判断も必要です。

また、治療中の猫や療法食を食べている猫では、またたびを与える目的や製品の成分についても確認しましょう。病気の治療や食事管理を優先し、またたびを使わなければならないと考える必要はありません。

使うかどうかを決める三つの基準

  • 健康状態:成長途中、体調不良、持病、投薬などの事情がある場合は、自己判断で始めない。
  • 使用目的:遊びや環境エンリッチメントに使う。食欲不振や不安、攻撃性などの治療目的には使わない。
  • 反応の観察:猫が自分から近づき、自由に離れられる状態で使う。嫌がる、興奮が強すぎる、体調に変化が出る場合は中止する。

またたびを使うべきか迷ったとき、最も実用的な判断基準は「猫が反応するか」だけではありません。健康状態に問題がなく、製品の表示を守り、猫が楽しめているかどうかを総合的に見ることが大切です。反応しない猫に無理に与える必要はなく、反応する猫にも毎回与える必要はありません。

【またたびとは】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:またたびは、すべての猫に効果がありますか? A1:いいえ。反応には個体差があり、体を転がす猫もいれば、においを嗅ぐだけの猫、ほとんど反応しない猫もいます。反応が弱くても、量を増やして無理に刺激する必要はありません。

Q2:またたびには依存性や中毒性がありますか? A2:2023年の安全性研究では、調査条件下で依存性を示す明確な行動や、肝臓・腎臓への重大な悪影響は確認されませんでした。ただし、すべての製品や使用条件でリスクがゼロと証明されたわけではありません。製品表示を守り、大量摂取や誤飲を防ぐことが大切です。

Q3:子猫にまたたびを与えても大丈夫ですか? A3:生後間もない子猫には与えないでください。一般向けの獣医師解説では生後6か月から1歳以降を目安とする考え方もありますが、成長や健康状態によって判断は異なります。成長途中の猫は、使用前に獣医師へ相談すると安心です。

まとめ:またたびは適量・適切な頻度で猫の楽しみに活用する

またたびとは、マタタビ科のつる植物で、猫がにおいに反応することで広く知られています。その反応には、マタタビラクトンと呼ばれてきた成分群のほか、ネペタラクトールやアクチニジンなどのイリドイド系化合物が関係しています。2021年以降の研究では、猫の神経系の反応や、被毛に移った成分が蚊を遠ざける働きについても知見が蓄積されてきました。

一方、またたびは猫に必須のものではありません。使う場合は、製品ごとの表示を確認し、少量から試して、猫の反応と体調を観察しましょう。依存性を示す明確な証拠は研究で確認されていませんが、それを理由に過剰に与えることは避けるべきです。

子猫やシニア猫、持病のある猫、体調が不安定な猫については、年齢や健康状態を優先し、必要に応じて獣医師に相談してください。反応の強さを求めるよりも、猫が安心して楽しめることを重視する。それが、またたびを安全に活用するための基本です。

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