共同通信杯(トキノミノル記念)は、春のクラシック戦線を占う重要な3歳馬限定の重賞競走です。東京競馬場の芝1800mを舞台に、将来のGⅠ馬候補が集結することから、過去の勝ち馬や3着以内馬を分析すると、馬の能力だけでなく、人気・枠順・脚質・上がり3ハロン・血統・騎手など、予想に役立つ複数の傾向が見えてきます。
2026年2月15日に行われた最新の共同通信杯では、2番人気のリアライズシリウスが優勝。4番人気のベレシート、3番人気のロブチェンが続き、1番人気のラヴェニューは4着でした。この記事では、2017〜2026年の過去10回を対象に、歴代優勝馬と3着以内馬の結果一覧から各種データを整理し、次回の予想に生かせる判断材料を解説します。
【レースの基本】共同通信杯(トキノミノル記念)はなぜ注目されるのか

共同通信杯は、JRAが東京競馬場で施行するGIII競走です。出走条件は3歳馬限定で、舞台は左回りの芝1800m。例年2月に行われ、皐月賞や日本ダービーを目指す馬の実力を測る一戦として位置付けられています。
競走名に付く「トキノミノル記念」は、1969年から採用されている副称です。トキノミノルは1951年に皐月賞と東京優駿(日本ダービー)を制した名馬で、生涯成績は10戦10勝。7回のレコード記録を残し、無敗のままクラシック二冠を達成しました。しかし、日本ダービー優勝からわずか17日後に破傷風で死亡し、「幻の馬」と呼ばれています。東京競馬場のパドック脇にはブロンズ像も設置されています。
このレースが予想材料として重視される理由は、単なる重賞タイトル以上の意味を持つ点にあります。3歳馬は成長の途上にあり、実績だけでは能力の全貌をつかめません。新馬戦を勝ったばかりの素質馬、2歳GⅠで敗れた実力馬、重賞で経験を積んだ馬が同じ条件で競うため、着順だけでなくレース内容を比較することが大切です。
なお、2026年の開催はすでに終了しています。以下の「過去10年」は2017年から2026年までの10回を指し、2027年以降の予想にも活用できる基礎データとして整理します。
【過去10年の結果一覧】共同通信杯の歴代優勝馬と3着以内馬を総まとめ
JRAの各年の競走成績と、競馬重賞データ.comなどの公開成績データを照合すると、2017〜2026年の優勝馬にはスワーヴリチャード、エフフォーリア、ダノンベルーガ、ジャスティンミラノ、マスカレードボールなど、クラシック路線で注目を集めた馬が並びます。各年の上位3頭と勝ち時計をまとめました。
| 年 | 1着(人気) | 2着(人気) | 3着(人気) | 勝ち時計・勝利騎手 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年 | リアライズシリウス(2番人気) | ベレシート(4番人気) | ロブチェン(3番人気) | 1分45秒5・津村明秀 |
| 2025年 | マスカレードボール(1番人気) | カラマティアノス(6番人気) | リトルジャイアンツ(4番人気) | 1分46秒0・坂井瑠星 |
| 2024年 | ジャスティンミラノ(4番人気) | ジャンタルマンタル(1番人気) | パワーホール(9番人気) | 1分48秒0・戸崎圭太 |
| 2023年 | ファントムシーフ(3番人気) | タッチウッド(5番人気) | ダノンザタイガー(1番人気) | 1分47秒0・C.ルメール |
| 2022年 | ダノンベルーガ(3番人気) | ジオグリフ(1番人気) | ビーアストニッシド(8番人気) | 1分47秒9・松山弘平 |
| 2021年 | エフフォーリア(4番人気) | ヴィクティファルス(7番人気) | シャフリヤール(2番人気) | 1分47秒6・横山武史 |
| 2020年 | ダーリントンホール(3番人気) | ビターエンダー(4番人気) | フィリオアレグロ(2番人気) | 1分49秒6・C.ルメール |
| 2019年 | ダノンキングリー(3番人気) | アドマイヤマーズ(1番人気) | クラージュゲリエ(4番人気) | 1分46秒8・戸崎圭太 |
| 2018年 | オウケンムーン(6番人気) | サトノソルタス(3番人気) | エイムアンドエンド(10番人気) | 1分47秒4・北村宏司 |
| 2017年 | スワーヴリチャード(2番人気) | エトルディーニュ(6番人気) | ムーヴザワールド(1番人気) | 1分47秒5・四位洋文 |
出典:JRAの競走成績、競馬重賞データ.com、与平の競馬予想新聞の過去10年集計。2026年の着順・勝ち時計・騎手は同年2月15日の東京11Rの成績によります。
一覧から読み取れるのは、勝ち馬の人気が比較的上位に集中していることです。一方、2着・3着には中穴や人気薄も入っています。2024年の3着パワーホールは9番人気、2018年の3着エイムアンドエンドは10番人気でした。勝ち馬を探す視点と、3連系馬券で相手候補を探す視点は分けて考える必要があります。
また、勝ち時計だけで単純比較するのも避けたいところです。2020年と2022年は稍重で、ほかの年の多くは良馬場でした。出走頭数やペースも異なるため、時計を評価するときは馬場状態、通過順位、上がり3ハロンを組み合わせて判断しましょう。
【人気・枠順別成績】1番人気は信頼できる?データで見る狙いどころ
過去10年の共同通信杯では、1番人気馬が1着1回、2着3回、3着2回、4着以下4回という成績でした。3着以内に入ったのは10回中6回ですが、勝利は1回にとどまっています。人気馬が馬券圏内に入る可能性は無視できない一方、単勝の軸として絶対視できるほどではありません。
勝ち馬の人気を集計すると、1番人気が1頭、2番人気が2頭、3番人気が4頭、4番人気が2頭、6番人気が1頭です。つまり、勝ち馬10頭のうち9頭は4番人気以内でした。2018年のオウケンムーンは6番人気で優勝した例外ですが、基本的には上位人気の実力馬を中心に考える組み立てがデータに合っています。
一方で、2026年は1番人気のラヴェニューが4着に敗れ、2番人気のリアライズシリウスが勝利しました。2024年にも4番人気のジャスティンミラノが1番人気のジャンタルマンタルを上回っています。単純な人気順ではなく、距離適性や過去のレース内容、当日の展開まで確認が必要です。
枠順別成績も見ておきましょう。2017〜2026年の出走102頭を集計したデータでは、7枠の3着以内率が43.8%、1枠と4枠がそれぞれ40.0%でした。対して、8枠は22.2%、2枠は20.0%。3枠は10頭が出走して3着以内がゼロでした。
ただし、7枠の出走馬は16頭、8枠は18頭、1枠と4枠は各10頭です。サンプル数は枠ごとに異なり、3着以内馬が1頭増減するだけでも率は大きく変動します。3枠の不振も、それだけで今後の不利を断定できる材料ではありません。枠順は能力評価を覆す決定打ではなく、脚質や想定ペースと組み合わせる補助材料として使うのが適切です。
【脚質・上がり3ハロン傾向】東京芝1800mで求められる末脚と位置取り
共同通信杯の予想では、直線の長い東京競馬場だからといって、後方からの追い込み一辺倒を狙うのは危険です。過去10年の勝ち馬の4コーナー通過順位を見ると、2〜5番手だった年が大半を占めています。2017年のスワーヴリチャードは6番手から差し切りましたが、勝ち馬はいずれも4コーナーで6番手以内に位置していました。
この傾向から見えてくるのは、最後の直線で速い脚を使えることに加え、勝負どころで前との差を詰められる位置にいることの重要性です。直線の長さは後方勢にもチャンスを与えますが、先行馬が楽に運んで上がりもまとめれば、差し馬が届かない展開も起こります。
上がり3ハロンは、ゴール前の約600mをどれだけ速く走ったかを示す指標です。過去10年の勝ち馬では、2019年のダノンキングリーが32秒9、2024年のジャスティンミラノが32秒6を記録しました。一方、2026年のリアライズシリウスは34秒1で優勝しています。勝ち馬の上がりは年によって異なり、速い数字だけで勝敗が決まるわけではありません。
2026年の2着ベレシートは上がり3ハロン33秒0で、出走馬中最速の末脚を発揮しました。4コーナーでは後方の位置にいましたが、リアライズシリウスにアタマ差まで迫っています。この結果は、末脚の鋭さが着順を押し上げる一方、先行して余力を残した馬を差し切れるかどうかは展開次第であることを示しています。
脚質を分析するときは、前走の着順だけでなく、4コーナーの位置、上がり3ハロン、前半のペースを確認してください。前走で後方から差し届かなかった馬でも、今回は流れが速くなれば浮上する可能性があります。逆に、前走の上がりが優秀でも、今回のペースが遅くなれば同じ脚を使っても届かないことがあります。
【血統・騎手・出走間隔】好走馬の共通点から次走の注目馬を探る
血統傾向では、特定の種牡馬だけが圧倒的に強いという構図にはなっていません。過去10年の勝ち馬の父には、ハーツクライ、ディープインパクト、エピファネイア、キズナ、ハービンジャー、ドゥラメンテなどが並び、2026年はポエティックフレア産駒のリアライズシリウスが優勝しました。
ハーツクライ産駒は2017年のスワーヴリチャードと2022年のダノンベルーガで勝利していますが、ほかの年は異なる父系の馬が勝っています。血統を予想に生かすなら、父の名前だけで候補を決めるのではなく、母系も含めて東京芝1800mへの適性、瞬発力、長く脚を使える持続力を確認したいところです。
騎手別では、戸崎圭太騎手が2019年のダノンキングリーと2024年のジャスティンミラノで2勝。C.ルメール騎手も2020年のダーリントンホール、2023年のファントムシーフで2勝しています。ほかの6勝はそれぞれ異なる騎手によるもので、特定の騎手だけで結果が決まるわけではありません。
騎手を比較する際は、過去の勝利数に加えて、今回の馬の脚質と騎手の戦術が合うかどうかを見ましょう。先行馬なら折り合いとペース配分、差し馬なら仕掛けのタイミングが大切です。2026年は津村明秀騎手がリアライズシリウスを勝利に導き、前方の位置から最後まで脚を維持しました。
出走間隔については、特定のローテーションだけに絞り込むのは得策ではありません。勝ち馬の前走は、新馬戦、ホープフルステークス、朝日杯フューチュリティステークス、東京スポーツ杯2歳ステークス、1勝クラスの特別競走など多岐にわたります。前走で大きなレースを経験した馬だけでなく、少ない出走数で素質を示した馬も好走しています。
過去10年の集計では、前走が新馬戦だった馬は16頭で、2頭が優勝、7頭が3着以内に入りました。また、前走1着だった馬は43頭中16頭が3着以内に入っています。前走1着馬の3着以内率は37.2%で、全出走馬の29.4%を上回りました。ただし、前走で敗れた馬にも巻き返しの余地はあります。前走の着順だけでなく、相手関係、距離、レース内容、休養期間を総合的に判断することが大切です。
【2026年最新データから分析】共同通信杯の予想に生かすポイントとプロの結論
2026年2月15日の共同通信杯は、東京芝1800mの良馬場で9頭が出走し、リアライズシリウスが1分45秒5で優勝しました。2着ベレシートとはアタマ差、3着ロブチェンとはクビ差という接戦でした。上位3頭はいずれも3番人気以内で、人気馬の能力が結果に反映された一方、1番人気ラヴェニューは4着に終わりました。
レース内容を見ると、リアライズシリウスは4コーナーで前方に位置して34秒1の上がりを使い、ベレシートは後方から33秒0の末脚で迫りました。前で運ぶ馬と後方から伸びる馬が僅差で競り合った結果は、位置取りと末脚を別々に評価するのではなく、両方のバランスを見る必要性を示しています。
2025年のマスカレードボールに続き、2026年も手塚貴久厩舎の管理馬が勝利しました。ただし、同じ厩舎の連勝は注目材料であっても、翌年以降の結果を保証するものではありません。競走馬の成長度や出走メンバーが毎年異なるため、厩舎の実績は個々の馬の能力評価と併せて考えましょう。
【プロの結論】 共同通信杯の過去10年データから、予想で優先したい判断基準は次の3点です。
- 第一に、能力と人気のバランスを確認する。 勝ち馬の9割が4番人気以内ですが、1番人気は10回で1勝です。上位人気を中心に考えながら、過剰に評価されている馬がいないか見極めましょう。
- 第二に、末脚と位置取りをセットで評価する。 東京の長い直線では瞬発力が武器になりますが、4コーナーで前方に位置する勝ち馬も多く見られます。上がり3ハロンだけでなく、展開と通過順位を確認してください。
- 第三に、前走と血統を組み合わせて適性を探る。 新馬戦からの素質馬も、重賞経験馬も好走しています。前走の着順だけで判断せず、距離適性、成長度、母系、出走間隔まで比較が必要です。
馬券の組み立てでは、勝ち馬候補と3着以内に入る相手候補を分ける考え方が役立ちます。上位人気馬の能力を評価しつつ、展開が向きそうな差し馬や、前走の着順以上に内容が良かった馬を相手に加える方法です。過去の成績は今後の的中を保証するものではありませんが、予想の根拠を整理する材料になります。
【共同通信杯過去】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:共同通信杯の過去10年の優勝馬を確認するには?
A1:2017年のスワーヴリチャードから2026年のリアライズシリウスまで、各年の勝ち馬を確認してください。記事内の結果一覧では、2着・3着馬、人気、勝ち時計、勝利騎手もまとめています。
Q2:共同通信杯は1番人気が強いレースですか?
A2:過去10年では1番人気が1勝、2着3回、3着2回、4着以下4回でした。3着以内に入るケースは多いものの、勝ち切れない年もあるため、2〜4番人気の実力馬や展開が向きそうな馬も比較するのがおすすめです。
Q3:共同通信杯で有利な枠順や脚質はありますか?
A3:2017〜2026年の集計では7枠の3着以内率が43.8%と最も高く、勝ち馬は4コーナーで前方に位置しているケースが目立ちます。ただし、枠順別の出走数は限られており、特定の枠や脚質が毎年有利になるわけではありません。馬場状態やペース、個々の馬の適性と合わせて判断してください。
まとめ:過去10年のデータを次回の共同通信杯予想に生かす判断基準
共同通信杯の過去10年を振り返ると、勝ち馬は上位人気に集中する一方、2着・3着には人気薄も入り、枠順や脚質、血統、前走の内容にも幅広い特徴が見られました。2026年はリアライズシリウスが勝利し、ベレシートとロブチェンが続きましたが、1番人気のラヴェニューは4着でした。人気だけでは説明できないレース内容を読み取ることが、予想の精度を高める第一歩です。
次回の予想では、まず能力と実績を確認し、次に東京芝1800mへの適性、上がり3ハロン、4コーナーの位置取り、血統、前走の内容を比較しましょう。過去の傾向を固定的な法則として扱うのではなく、出走馬の顔ぶれや当日の条件に照らして使うことが大切です。歴代優勝馬と3着以内馬の記録を土台に、数字とレース内容の両面から判断していきましょう。