2026年10月28日、ガソリン価格の先行きを考えるうえで見逃せない動きが続いている。資源エネルギー庁が同日に発表した10月26日時点のレギュラーガソリン全国平均は、1リットル当たり170.1円。前週の10月19日調査の170.2円から0.1円下がった。一時的な値下がりは見られるものの、原油市場では中東情勢を背景に供給不安がくすぶっている。
加えて、政府はガソリン価格を抑えるための補助を継続する一方、2026年10月23日には今後の支援のあり方を検討する方針を示した。原油価格、円相場、地政学リスク、政府補助金という4つの要素が重なるなか、ガソリン価格は今後どう動くのか。最新の公表データと政府発表をもとに、値上がりリスクと給油の判断材料を整理する。
【ガソリン値上げ予想2026年最新】170円台は続く?今後の価格を左右する3つのシナリオ

2026年10月28日時点のガソリン価格を判断するうえで重要なのは、直近の小幅な値下がりだけでなく、価格を支える要因と押し上げる要因の両方を見ることだ。
資源エネルギー庁の石油製品価格調査によると、10月26日調査のレギュラー全国平均は170.1円/Lだった。前週から0.1円下がったものの、わずかな変化にとどまる。政府の価格抑制策が続いていることも、店頭価格が大きく動きにくい背景の一つだ。
一方、10月28日のロイター報道では、サウジアラビアの主要製油所を巡る攻撃報道を受け、北海ブレント原油先物が1バレル当たり115.47ドルまで上昇した。報道によると、イエメンの親イラン武装組織フーシ派がミサイル攻撃への関与を主張したが、サウジ当局は直ちに攻撃を確認していなかった。こうした供給不安が原油市場を揺らしている。
今後のガソリン価格は、次の3つのシナリオを想定しておくと判断しやすい。
- シナリオ1:170円前後で推移する。政府の補助が継続し、原油価格が大きく上昇しなければ、価格は小幅な上下を繰り返す可能性がある。
- シナリオ2:値上がり圧力が強まる。中東の石油施設や輸送ルートへの攻撃が拡大し、原油価格が上昇したり、円安が進んだりすれば、国内価格にも上昇圧力がかかる。
- シナリオ3:上昇圧力が和らぐ。中東情勢が落ち着き、原油の供給や輸送が回復すれば、原油価格の下落を通じて国内価格にも値下がり余地が生まれる。
現時点では、来週に何円上がるといった具体的な値上がり幅を断定できる状況ではない。短期的には、補助金による価格抑制と、中東情勢による原油高リスクがせめぎ合う展開を基本線として考えたい。
【最新データ】レギュラーガソリン価格の推移と全国平均を比較
ガソリン値上げ予想を考える際は、価格が実際にどの程度動いているのかを把握しておきたい。全国平均は、個々のガソリンスタンドの販売価格とは異なるものの、国内の価格動向をつかむための基本的な指標となる。
資源エネルギー庁の石油製品価格調査をもとにした直近の数値と、価格に影響する主な出来事を整理した。
| 日付・時期 | 価格・政策の動き | 読み取れるポイント |
|---|---|---|
| 2026年10月26日調査 | 170.1円/L | 全国平均は前週比0.1円安。最新の公表値 |
| 2026年10月19日調査 | 170.2円/L | 前週比0.1円高。小幅な上昇にとどまった |
| 2026年3月16日調査 | 190.8円/L | 2025年6月以降の公表系列で確認できる最高値 |
| 2026年1月19日調査 | 154.7円/L | 同じ公表系列で確認できる最低値 |
| 2026年10月22日以降 | ガソリン補助単価42.8円/L | 政府の燃料油価格抑制策が継続 |
| 2026年10月28日 | ブレント原油先物115.47ドル/バレル | 中東の供給不安を背景に原油市場が上昇 |
価格の推移を見ると、2026年のレギュラーガソリン全国平均は、1月19日の154.7円から3月16日の190.8円まで上昇した後、10月には170円前後となっている。つまり、現在の価格は直近の高値を下回っているものの、年初の安値と比べれば高い水準にある。
なお、190.8円と154.7円は、2025年6月以降の調査系列で確認できる最高値と最低値であり、ガソリン価格の歴史全体における最高・最低を意味するものではない。
ここで注意したいのは、全国平均が前週比0.1円下がったからといって、すべてのガソリンスタンドで値下がりしているわけではない点だ。地域、店舗の仕入れ条件、競合店との価格競争、会員割引などによって、実際の給油価格には差が生じる。
また、全国平均の調査日は価格の観測時点であり、今後の店頭価格を保証するものではない。ガソリン価格の現在の全国平均を確認する際は、調査日と公表日を区別することも大切だ。
【値上がり理由を解説】原油価格・円安・中東情勢はガソリン代にどう影響する?
ガソリン値上がりの理由は、一つではない。日本は原油の大部分を海外から輸入しているため、国際的な原油価格と為替相場の変動が、国内の燃料価格に影響する。
加えて、中東情勢が不安定になると、原油の生産量だけでなく、タンカーの航行や輸送保険、代替ルートの確保などにも影響が及ぶ。これらのコストが増えれば、日本の石油会社が原油を調達する費用も上がりやすくなる。
1.原油価格が上昇すると、仕入れコストが増える
原油価格とガソリン価格の関係は、基本的には連動している。国際市場で原油が高くなれば、石油会社が原油を調達する費用や、製品を供給するまでのコストが増える。その結果、卸売価格を通じてガソリンスタンドの仕入れ価格にも上昇圧力がかかる。
ただし、原油価格が1割上昇したからといって、店頭のガソリン価格も同じ割合で上昇するわけではない。精製費用、輸送費、在庫、税金、補助金、販売店の価格設定などが関係するためだ。国際価格の変化が国内の店頭価格に反映されるまでにも時間差が生じる。
米エネルギー情報局(EIA)は10月6日公表の短期エネルギー見通しで、ブレント原油の2026年第4四半期平均を1バレル当たり105ドルと予測していた。また、2027年第2四半期には87ドル、第4四半期には74ドルまで下がるとの見通しも示している。
もっとも、この予測は中東の供給制約が徐々に緩和するという前提に基づく。10月28日の攻撃報道後に原油価格が上昇していることを踏まえると、予測値を確定的な将来価格として扱うことはできない。
2.円安が進むと、輸入原油の円換算価格が上がる
原油は国際市場で主に米ドル建てで取引される。そのため、原油のドル建て価格が変わらなくても、円安が進めば日本の輸入企業が円で支払う金額は増える。
例えば、原油価格が1バレル100ドルで変わらないと仮定すると、1ドル150円の場合は円換算で1万5,000円、1ドル160円の場合は1万6,000円となる。原油1バレル当たり1,000円の差が生まれる計算だ。実際の調達価格は契約条件や輸送費などにも左右されるが、為替変動の影響を理解するための目安になる。
10月下旬の為替市場では1ドル157〜158円台で取引されており、輸入コストを考えるうえで円相場も無視できない要素となっている。原油価格が落ち着いても円安が進めば、国内のガソリン価格が下がりにくくなる可能性がある。
3.中東情勢が悪化すると、原油の供給不安が高まる
中東情勢の影響は、原油の産出量だけに限らない。石油施設への攻撃、海上輸送の妨害、タンカーの保険料上昇などが発生すると、実際の供給量が大きく減っていなくても、市場では供給不足への警戒から原油価格が上がることがある。
ロイターが10月28日に報じたサウジアラビアの製油所を巡る攻撃情報は、こうしたリスクを示す事例だ。ただし、報道された攻撃については当局による確認状況を区別して見る必要があり、一つの報道だけで長期的な供給停止を前提にすることはできない。
ガソリン価格の今後の予測では、原油価格の上昇そのものに加え、上昇が何日・何週間続くかを確認したい。短期間で市場が落ち着けば国内価格への影響が限られる可能性がある一方、供給障害が長期化すれば値上がり圧力が強まりやすい。
【ガソリン補助金の仕組み】2026年の支援単価と今後の見直しリスク
2026年のガソリン価格を考えるうえで、原油価格と並んで重要なのが政府の補助金だ。国際的な原油高がそのまま店頭価格に反映されるとは限らないのは、政府による燃料油価格の抑制策が働いているためでもある。
資源エネルギー庁の「中東情勢を踏まえた緊急的激変緩和措置」によると、同措置は2026年3月19日に開始された。ガソリンや軽油などの価格高騰を抑えるため、石油元売り事業者に価格引き下げの原資となる補助金を支給する仕組みだ。
2026年10月22日以降のガソリン補助単価は1リットル当たり42.8円と公表されている。これは消費者に直接現金を配る制度ではなく、元売り事業者への支援を通じて燃料価格の上昇を抑える制度である。
ただし、補助単価とガソリンスタンドの販売価格は同じものではない。実際の店頭価格は、原油の調達費用、精製・輸送コスト、卸売価格の改定時期、店舗ごとの販売条件などを反映して決まる。補助単価が42.8円だからといって、すべての店舗の価格が単純に42.8円下がるわけではない。
もう一つの注目点が、制度の今後だ。首相官邸が公表した10月23日の会見によると、高市首相は中東情勢が物価や経済に与える影響を注視しながら、各党の提案も踏まえて今後の支援のあり方を検討するよう経済産業大臣に指示した。財政負担への懸念から、段階的な見直しや出口戦略を考えるべきだという意見が出ていることにも言及している。
ここで区別すべきなのは、支援の見直しを検討する方針が示されたことと、補助金の終了が決定したことは別だという点だ。10月23日の会見は今後の検討を指示したものであり、終了日や具体的な縮小幅を決めた発表ではない。
今後、補助金の縮小や終了が正式に決まれば、原油価格が大きく変わらなくても店頭価格が上がる可能性がある。逆に、支援が続き、原油価格も落ち着けば、値上がり圧力が和らぐ余地は残る。原油市場だけでなく、政府の発表も継続して確認したい。
【ガソリン価格の都道府県別比較】地域差と家計への影響を確認
ガソリン代は全国平均だけでは判断しきれない。同じ週でも都道府県によって価格が異なり、同じ都道府県のなかでも、ガソリンスタンドや支払い方法によって実際の給油価格に差が出る。
2026年10月19日調査の都道府県別データでは、レギュラーガソリンが最も高かったのは沖縄県の179.5円/L、最も安かったのは宮城県の162.9円/Lだった。両県の差は1リットル当たり16.6円に達する。
この差を給油量に当てはめると、50リットル給油した場合は約830円、毎月100リットルを使用する場合は年間で約1万9,920円の差になる。実際に住んでいる地域を変えずに購入先を比較するだけでも、家計への影響を抑えられる可能性がある。
ただし、県別平均は地域全体の価格傾向を示す指標であり、最安値のガソリンスタンドを保証するものではない。価格差を調べる際は、給油予定の店舗で表示されている価格、会員割引、アプリクーポン、決済方法による違いを確認したい。
ガソリン代が家計に与える影響は、車の使用頻度によっても異なる。例えば、月100リットルを使う人は、1リットル当たり5円の値上がりで月500円、年間6,000円の負担増になる。10円上がれば月1,000円、年間1万2,000円の増加だ。
一方、月30リットルの使用であれば、同じ5円の値上がりによる負担増は月150円にとどまる。値上がりのニュースだけを見るのではなく、自分が毎月どれだけ燃料を使うかを把握することが、実際の家計対策につながる。
【プロの結論】ガソリン価格はいつ値上がりする?今すぐ給油すべきか判断する基準
ガソリン価格がいつ上がるのかを、日付単位で正確に予測することは難しい。原油相場が動いた日と、ガソリンスタンドの販売価格が変わる日は必ずしも一致しないためだ。仕入れ価格の改定や在庫、補助金の反映などを経て、国内の店頭価格に変化が現れる。
2026年10月28日時点で判断材料になるのは、全国平均が170.1円/Lと前週から0.1円下がった一方、中東情勢によって原油価格が再び上昇するリスクが残っていることだ。これだけで「明日から値上がりする」と断定することも、「今後は必ず値下がりする」と考えることも適切ではない。
給油するタイミングは、次の基準で判断するとよい。
- 燃料が少なく、通勤や旅行の予定がある場合:価格予測にこだわりすぎず、必要な量を給油する。走行中に燃料不足になるリスクを避けることを優先したい。
- まだ十分な燃料が残っている場合:全国平均の小幅な変化だけを理由に、慌てて満タンにする必要性は高くない。次の価格調査や政府発表を確認し、通常の給油ペースを維持する方法もある。
- 毎月の給油量が多い場合:価格が数円変わるだけでも年間の負担に差が出る。普段利用する店舗の価格を比較し、無理なく使える割引制度を活用したい。
- 遠出を控えている場合:出発前に給油価格を確認する。目的地周辺で安い店舗を探す方法もあるが、給油のために大きく遠回りすると、余分な燃料を消費することがある。
もう一つ、誤解しやすいのが「原油価格が上がったら、ガソリン価格も翌日すぐ上がる」という考え方だ。原油価格の上昇は値上がり要因になるものの、実際の店頭価格には時間差があり、補助金や卸売価格の改定も影響する。反対に、原油価格が下がった場合も、店頭価格がすぐに同じ幅で下がるとは限らない。
今後は、資源エネルギー庁が毎週公表する石油製品価格調査、国際原油相場、為替相場、政府の補助金に関する発表を組み合わせて確認することが大切だ。特に、原油高が数日で収まるのか、供給不安が長引くのか、補助制度に変更があるのかという3点が、ガソリン価格の方向性を判断するうえでの重要な材料になる。
【ガソリン値上げ予想】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年10月のガソリン価格は今後値上がりしますか?
A1:値上がりする可能性はあるが、確定的な予測はできない。10月26日調査の全国平均は170.1円/Lと前週比0.1円安だった一方、中東情勢による原油供給不安が残っている。原油価格、円相場、政府補助金の動向を合わせて判断したい。
Q2:ガソリン価格が値上がりするのはいつですか?
A2:全国一律で値上がりする日が事前に決まっているわけではない。原油価格や為替相場の変化が卸売価格や店頭価格に反映されるまでには時間差がある。週次の石油製品価格調査と、利用するガソリンスタンドの価格を確認するのが現実的だ。
Q3:ガソリン補助金がなくなると、価格は42.8円上がりますか?
A3:必ず42.8円/L上がるとは限らない。42.8円は2026年10月22日以降に公表された補助単価であり、店頭価格への反映は原油調達費用、流通コスト、在庫、販売店の価格設定などにも左右される。政府は10月23日に今後の支援のあり方を検討するよう指示したが、同日の会見で補助金の終了日が決まったわけではない。
まとめ:今後のガソリン価格と失敗しないための判断基準
2026年10月28日時点で確認できる最新のレギュラーガソリン全国平均は、10月26日調査の170.1円/Lだ。前週から0.1円下がったものの、中東情勢を背景に原油市場が不安定な状態にあり、今後の値上がりリスクがなくなったわけではない。
今後のガソリン価格を左右するのは、原油価格と円相場、そして政府の補助金政策だ。特に、10月22日以降の補助単価が42.8円/Lとなっていること、10月23日に政府が今後の支援のあり方を検討する方針を示したことは、今後の価格を考えるうえで押さえておきたい動きである。
給油を急ぐべきかどうかは、短期的な値上がり予想だけで決める必要はない。燃料の残量、走行予定、普段利用する店舗の価格、毎月の給油量を踏まえて判断したい。全国平均が数円動いたというニュースに振り回されず、週次データと政府の公式発表を確認しながら、無理のない給油計画を立てることが、ガソリン代を抑えるための現実的な方法だ。