フィギュアスケートのペア競技で、歴代最高得点はいったい何点なのか。2026年10月時点の国際スケート連盟(ISU)公式統計を見ると、2018/19シーズン以降の採点方式における合計得点の最高記録は、239.88点です。記録を持つのは、中国の隋文静(スイ・ウェンジン)/韓聰(ハン・ツォン)組。2022年北京冬季オリンピックで打ち立てたスコアです。
一方、2018年の採点変更前には、アリョーナ・サフチェンコ/ブルーノ・マッソ組が245.84点を記録しています。さらに2026年ミラノ・コルティナ冬季オリンピックでは、日本の三浦璃来/木原龍一組がフリースケーティング(FS)で158.13点をマークし、現行採点方式での最高得点を更新しました。合計得点、ショートプログラム(SP)、FSでは記録保持者が異なるため、数字を正しく比較するには採点方式と競技区分の両方を押さえる必要があります。
【2026年最新】フィギュアスケートペア歴代最高得点は何点?

2026年10月9日付のISU公式統計では、現行の採点方式におけるペアの合計得点、SP、FSの各最高得点が確認できます。合計得点のトップは2022年の隋文静/韓聰組ですが、FSでは2026年の三浦/木原組が首位に立っています。
最初に、3つの主要記録を整理します。
- 合計得点:239.88点 — 隋文静/韓聰組、中国。2022年北京冬季オリンピック。
- ショートプログラム(SP):84.41点 — 隋文静/韓聰組、中国。2022年北京冬季オリンピック。
- フリースケーティング(FS):158.13点 — 三浦璃来/木原龍一組、日本。2026年ミラノ・コルティナ冬季オリンピック。
ここで注意したいのが、「世界最高得点」という呼び方です。報道や一般的なランキングでは世界記録と表現されることがありますが、ISUは現在、これらを公式には「世界記録」ではなく「最高得点(Highest Scores)」や「パーソナルベスト(PB)」として管理しています。
そのため、検索時には「歴代最高得点」が旧採点方式を含む全期間の記録を指すのか、2018/19シーズン以降の現行方式の記録を指すのかを確認することが大切です。両者を区別しないランキングは、数字が正しくても比較の前提が異なる可能性があります。
【合計得点ランキング】ISU公式統計で見る歴代トップ10
以下は、ISUの「Highest Total Scores」統計をもとにした、2018/19シーズン以降の採点方式におけるシニア・ペアの高得点演技ランキングです。2026年10月9日更新表示のデータを基準にしています。
これはペアの組ごとに順位を付けた世界ランキングではなく、実際の競技で記録された合計得点を高い順に並べたものです。同じペアが複数回登場する点にも注目してください。
| 順位 | ペア・国 | 大会・開催日 | SP | FS | 合計得点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 隋文静/韓聰(中国) | 北京五輪・2022年2月19日 | 84.41 | 155.47 | 239.88 |
| 2 | ミーシナ/ガリャモフ(ロシア) | 欧州選手権・2022年1月13日 | 82.36 | 157.46 | 239.82 |
| 3 | タラソワ/モロゾフ(ロシア) | 北京五輪・2022年2月19日 | 84.25 | 155.00 | 239.25 |
| 4 | ミーシナ/ガリャモフ(ロシア) | 北京五輪・2022年2月19日 | 82.76 | 154.95 | 237.71 |
| 5 | タラソワ/モロゾフ(ロシア) | 欧州選手権・2022年1月13日 | 81.58 | 154.85 | 236.43 |
| 6 | 隋文静/韓聰(中国) | 世界選手権・2019年3月21日 | 79.24 | 155.60 | 234.84 |
| 7 | ボイコワ/コズロフスキー(ロシア) | 欧州選手権・2020年1月24日 | 82.34 | 152.24 | 234.58 |
| 8 | 三浦璃来/木原龍一(日本) | ミラノ・コルティナ五輪・2026年2月16日 | 73.11 | 158.13 | 231.24 |
| 9 | クニエリム/フレイジャー(米国) | 世界国別対抗戦・2023年4月15日 | 82.25 | 147.87 | 230.12 |
| 10 | ボイコワ/コズロフスキー(ロシア) | ロステレコム杯・2019年11月16日 | 80.14 | 149.34 | 229.48 |
ランキングで目を引くのは、2022年に記録が集中していることです。北京五輪と同年の欧州選手権では、隋文静/韓聰組、ミーシナ/ガリャモフ組、タラソワ/モロゾフ組が、239点台の非常に高い合計得点を記録しました。
日本の三浦/木原組は、2026年の五輪で231.24点を記録し、現行方式の合計得点ランキングでも上位に入りました。ただし、合計得点の順位だけでは、演技の一部でどれほど突出した成果を残したかまでは分かりません。三浦/木原組のFS158.13点は、合計得点の順位とは別に評価すべき記録です。
【SP・FS別ランキング】日本ペアが2026年に更新した記録
SPとFSは、同じペア競技でも評価される演技の構成や要素が異なります。最高得点を比べる際には、合計得点だけでなく、それぞれの種目別記録を見ると競技の変化が分かりやすくなります。
ショートプログラム(SP)のパーソナルベスト上位は、2026年10月9日付のISU統計で次のようになっています。
- 1位:84.41点 — 隋文静/韓聰組(2022年北京五輪)
- 2位:84.25点 — エフゲニア・タラソワ/ウラジーミル・モロゾフ組(2022年北京五輪)
- 3位:82.84点 — 三浦璃来/木原龍一組(2026年五輪の団体戦)
- 4位:82.76点 — アナスタシア・ミーシナ/アレクサンドル・ガリャモフ組(2022年北京五輪)
- 5位:82.34点 — アレクサンドラ・ボイコワ/ドミトリー・コズロフスキー組(2020年欧州選手権)
SPでは、隋文静/韓聰組の84.41点が依然としてトップです。三浦/木原組も82.84点を持ち、現行方式のSP歴代上位に名を連ねています。この82.84点は、2026年五輪の団体戦で記録したもので、個人戦のSP得点とは異なります。
フリースケーティング(FS)のパーソナルベスト上位は、同じISU統計で次のとおりです。
- 1位:158.13点 — 三浦璃来/木原龍一組(2026年ミラノ・コルティナ五輪)
- 2位:157.46点 — ミーシナ/ガリャモフ組(2022年欧州選手権)
- 3位:155.60点 — 隋文静/韓聰組(2019年世界選手権)
- 4位:155.00点 — タラソワ/モロゾフ組(2022年北京五輪)
- 5位:152.52点 — ヴァネッサ・ジェームズ/モーガン・シプレ組(2019年世界国別対抗戦)
2026年2月16日、三浦/木原組は五輪個人戦のFSで158.13点を獲得しました。ISU公式結果では技術点(TES)が82.73点、演技構成点(PCS)が75.40点、減点は0点。現行採点方式におけるFSの最高得点を更新する演技となりました。
特筆すべきなのは、個人戦のSPでミスが出て5位発進となった後、FSで巻き返して優勝したことです。最終合計は231.24点。日本ペアとして五輪初の金メダルを獲得したこの演技は、単にFSの得点記録を塗り替えただけでなく、試合全体で立て直す力も示しました。
【記録更新の経緯】2018年の採点変更で何が変わった?
ペアの歴代最高得点を調べる際に、見落とせない転換点が2018/19シーズンです。ISUはこのシーズンから、演技の出来栄えを評価するGOE(Grade of Execution)の評価尺度を従来のプラス・マイナス3段階からプラス・マイナス5段階へ変更しました。それに伴い、最高得点などの統計は新たに集計され、以前の記録は歴史的記録として扱われています。
この変更以前の合計得点の歴代最高記録は、ドイツのアリョーナ・サフチェンコ/ブルーノ・マッソ組が2018年世界選手権で記録した245.84点です。ISUの過去シーズンの記録では、SPが82.98点、FSが162.86点でした。
この245.84点と、現行方式の合計最高得点239.88点を並べると、旧方式の数字の方が大きくなっています。しかし、これをもって旧方式の方が演技を高く評価していた、あるいは新方式で得点が下がったと単純に結論づけることはできません。GOEの尺度や要素の基礎点、評価方法などが異なるためです。
採点変更の影響を整理すると、次の3点が大切です。
- GOEの評価幅が変更された:技の出来栄えを評価する尺度が変わり、加点・減点の付け方が見直された。
- 統計がリセットされた:2018/19シーズン以降の記録は、旧方式の記録と分けて集計されている。
- 旧記録が消えたわけではない:245.84点などは歴史的記録として残っており、過去の演技を評価するうえで今も重要な指標となる。
したがって、検索結果に「245.84点」と「239.88点」の両方が出てきても、どちらかが誤りとは限りません。前者は2018年の旧採点方式、後者は2018/19シーズン以降の現行方式における合計最高得点です。
【採点の仕組み】ペア競技の合計得点はどう決まる?
ペア競技の得点は、SPとFSそれぞれの得点を合算して決まります。各プログラムでは、技術要素の評価、演技全体の評価、減点が反映されます。単に難しい技を多く入れれば高得点になるわけではなく、技の完成度や演技全体の質も結果を左右します。
現在の採点で中心となるのは、次の要素です。
- 技術点(TES):リフト、ツイストリフト、スロージャンプ、サイド・バイ・サイドのジャンプ、スピン、デススパイラルなど、技術要素の基礎点とGOEを積み上げる。
- 演技構成点(PCS):スケーティングスキル、構成、プレゼンテーションなど、プログラム全体の質を評価する。
- 減点:転倒などの違反・ミスに応じた減点があれば、得点から差し引く。
同じ要素を実施しても、着氷や流れ、技の高さ、回転の質、二人のタイミングなどによってGOEは変わります。また、ペアならではのリフトやスロージャンプでは、二人の連携と安全性、技の完成度が得点に影響します。
ここで理解しておきたいのが、パーソナルベスト(PB)の扱いです。三浦/木原組のSP自己最高得点82.84点は団体戦で、FS自己最高得点158.13点は五輪個人戦で記録されました。これらは別々の競技機会における記録なので、82.84点と158.13点を足した数字が、ISU公式の合計得点PBになるわけではありません。
合計得点のPBは、同一大会のSPとFSを合算した結果です。三浦/木原組の五輪個人戦の合計得点は、SP73.11点とFS158.13点を合わせた231.24点。SPで自己最高得点を更新していなくても、FSで歴史的な高得点を出し、総合優勝を果たすことは可能なのです。
【世界ランキングとの違い】PB・シーズンベストはどう読む?
フィギュアスケートのランキングには、混同されやすい3つの指標があります。最高得点、パーソナルベスト(PB)、ISU世界ランキングは、いずれも選手の実力を考える材料ですが、評価している内容は異なります。
- 最高得点ランキング:実際の競技で記録された高得点を順位付けする。大会ごとの演技が対象となるため、同じペアが複数回登場することがある。
- パーソナルベスト(PB):そのペアがこれまでに記録した自己最高得点。合計、SP、FSそれぞれにPBがある。
- シーズンベスト(SB):そのシーズンに記録した最高得点。シーズン中の調子や得点水準を比較するのに向いている。
- ISU世界ランキング(World Standings):対象期間の大会成績に基づいてポイントを集計する。単一の演技で出した得点だけを順位付けするものではない。
2026年10月13日付のISU世界ランキング(2026/27シーズン)では、ミネルヴァ・ファビエンヌ・ハーゼ/ニキータ・ボロディン組が4624ポイントで1位、アナスタシア・メテルキナ/ルカ・ベルラワ組が4540ポイントで2位、アリサ・エフィモワ/ミーシャ・ミトロファノフ組が3244ポイントで3位となっています。
一方、現行方式の合計得点PBでは、2022年北京五輪の239.88点を持つ隋文静/韓聰組が1位です。つまり、世界ランキングで首位に立つペアが、歴代最高得点の記録保持者とは限りません。ランキングは複数大会での成績を反映する一方、最高得点は一度の演技でどれだけ高い評価を得たかを示すからです。
「2026年最新ペア得点ランキング」を調べる際は、検索結果の見出しだけで判断せず、ISU公式統計の項目名と更新日を確認してください。現時点の競技力を知りたいなら世界ランキングやシーズンベスト、歴史的な高得点を知りたいなら合計得点・SP・FSのPBを参照するのが適切です。
【フィギュアスケートペア歴代最高得点】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:フィギュアスケートのペア歴代最高得点は何点ですか?
A1:2018/19シーズン以降の採点方式では、隋文静/韓聰組の239.88点が合計得点の最高記録です。旧採点方式を含めた歴史的記録では、サフチェンコ/マッソ組が2018年世界選手権で記録した245.84点があります。
Q2:ペアのSPとFSの世界最高得点はそれぞれ何点ですか?
A2:現行採点方式では、SPが隋文静/韓聰組の84.41点、FSが三浦璃来/木原龍一組の158.13点です。SPとFSで記録保持者が異なります。
Q3:なぜ旧採点方式と新採点方式の得点を単純比較できないのですか?
A3:2018/19シーズンからGOEの評価尺度などが変更され、ISUの最高得点統計もリセットされたためです。旧方式の245.84点と現行方式の239.88点は、異なる採点条件で得られた数字として扱う必要があります。
Q4:パーソナルベストが高いペアほど世界ランキングも上位になりますか?
A4:必ずしもそうではありません。PBは一度の演技で記録した自己最高得点ですが、ISU世界ランキングは対象期間の大会成績に基づいてポイントを集計します。安定して好成績を残すペアが、単発の最高得点ランキングとは異なる順位になることがあります。
Q5:三浦璃来/木原龍一組は合計得点でも世界最高記録を持っていますか?
A5:2026年10月9日付のISU公式統計では、合計得点の最高記録は隋文静/韓聰組の239.88点です。三浦/木原組は合計231.24点を記録している一方、FSでは158.13点という現行方式の最高得点を持っています。
まとめ:【プロの結論】歴代最高得点は採点方式と記録の種類で見極める
フィギュアスケートのペア歴代最高得点を正しく理解するには、単に最も大きな数字を探すのではなく、採点方式、演技区分、記録の種類を切り分けることが大切です。
2026年10月時点で押さえておきたい数字は、現行方式の合計最高得点239.88点、SP最高得点84.41点、FS最高得点158.13点です。隋文静/韓聰組が合計とSPの記録を持ち、三浦璃来/木原龍一組がFSの記録を更新しています。
また、旧採点方式の245.84点も、ペア競技の歴史を語るうえで欠かせない記録です。2018/19シーズンの採点変更は、過去の演技を無効にしたのではなく、以降の得点を別の基準で集計する契機となりました。
今後、記録更新の可能性を追うなら、合計得点だけでなく、SPとFSのPB、シーズンベスト、ISU世界ランキングを合わせて確認するのが有効です。特に三浦/木原組の158.13点は、現行方式のFSでどこまで高得点が伸びるのかを考えるうえで大きな基準になります。記録の数字と採点の背景をセットで読むことが、ペア競技の進化を正確に捉えるための最も確かな方法です。