『水戸黄門』の助さん・格さんといえば、黄門様を支える名コンビとして、長年にわたり時代劇ファンに親しまれてきた存在です。しかし、歴代の俳優を振り返ると、杉良太郎、里見浩太朗、あおい輝彦、伊吹吾郎、原田龍二など、時代ごとに顔ぶれが変わっています。
TBS地上波のレギュラーシリーズは1969年に始まり、2011年の第43部まで続きました。この期間に助さんを演じた俳優は6人、格さんを演じた俳優も6人です。一方、2026年にはBS-TBSが新作スペシャルの放送を発表しており、歴代キャストを語るうえでは、地上波版とBS版を区別することも欠かせない。
【歴代キャスト一覧】助さん・格さんを演じた俳優は各6人

最初に、最も知りたい歴代俳優を整理します。対象は1969年から2011年まで放送されたTBS地上波レギュラー版です。2017年以降のBS-TBS版は別枠として扱います。
助さん(佐々木助三郎)の歴代俳優
- 初代:杉良太郎(第1部〜第2部)
- 2代目:里見浩太朗(第3部〜第17部)
- 3代目:あおい輝彦(第18部〜第28部)
- 4代目:岸本祐二(第29部〜第31部)
- 5代目:原田龍二(第32部〜第41部)
- 6代目:東幹久(第42部〜第43部)
初代の杉良太郎は、シリーズ初期の助さん像を築いた俳優です。続く里見浩太朗は長期間にわたって佐々木助三郎を演じ、その後、水戸光圀役へと移りました。里見が助さんと黄門様という二つの主要な役を担ったことは、歴代キャストを振り返るうえで見逃せない特徴です。
あおい輝彦、岸本祐二、原田龍二、東幹久へとバトンが渡るにつれ、助さん役も新しい俳優の個性を取り込みながら受け継がれていきました。
格さん(渥美格之進)の歴代俳優
- 初代:横内正(第1部〜第8部)
- 2代目:大和田伸也(第9部〜第13部)
- 3代目:伊吹吾郎(第14部〜第28部)
- 4代目:山田純大(第29部〜第31部)
- 5代目:合田雅吏(第32部〜第41部)
- 6代目:的場浩司(第42部〜第43部)
格さんは、真面目で実直な性格と力強い立ち回りが特徴の人物です。黄門様の身分を明かす印籠を扱う役目もあり、物語のクライマックスを支えてきました。
なかでも伊吹吾郎は、第14部から第28部まで長期間にわたって出演。格さんのイメージを定着させた代表的な俳優として知られています。その後も山田純大、合田雅吏、的場浩司と、各時代のキャストが役柄を引き継ぎました。
【出演期間一覧】第1部から第43部までの配役変遷を比較
歴代キャストの交代時期を理解するには、俳優名だけでなく、担当したシリーズの部数も確認するのが確実です。TBSテレビの「水戸黄門大学」が公開するシリーズ史や、TBSチャンネルの各部番組情報をもとに整理すると、次のようになります。
| 役柄 | 代 | 俳優 | 担当部 | 放送年の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 助さん | 初代 | 杉良太郎 | 第1〜2部 | 1969〜1971年 |
| 助さん | 2代目 | 里見浩太朗 | 第3〜17部 | 1971〜1988年 |
| 助さん | 3代目 | あおい輝彦 | 第18〜28部 | 1988〜2000年 |
| 助さん | 4代目 | 岸本祐二 | 第29〜31部 | 2001〜2003年 |
| 助さん | 5代目 | 原田龍二 | 第32〜41部 | 2003〜2010年 |
| 助さん | 6代目 | 東幹久 | 第42〜43部 | 2010〜2011年 |
| 格さん | 初代 | 横内正 | 第1〜8部 | 1969〜1977年 |
| 格さん | 2代目 | 大和田伸也 | 第9〜13部 | 1978〜1983年 |
| 格さん | 3代目 | 伊吹吾郎 | 第14〜28部 | 1983〜2000年 |
| 格さん | 4代目 | 山田純大 | 第29〜31部 | 2001〜2003年 |
| 格さん | 5代目 | 合田雅吏 | 第32〜41部 | 2003〜2010年 |
| 格さん | 6代目 | 的場浩司 | 第42〜43部 | 2010〜2011年 |
放送年は各部の放送時期を示した目安です。シリーズの間には放送休止期間があるため、担当部数と実際の連続出演年数は必ずしも一致しません。
この一覧から見える大きな節目は、第14部、第18部、第29部、第32部、第42部です。第14部では格さんが伊吹吾郎に、第18部では助さんがあおい輝彦に交代しました。第29部では黄門様を含む主要キャストが変わり、第32部では助さんと格さんが原田龍二・合田雅吏のコンビに。第42部では東幹久・的場浩司の新コンビが登場しています。
歴代キャストの変遷は、単純に俳優を入れ替えた歴史ではありません。シリーズの節目ごとに、登場人物の関係性や物語の見せ方も更新されてきたのです。
【最強コンビ比較】里見浩太朗×伊吹吾郎とあおい輝彦×伊吹吾郎
助さん格さんの歴代コンビを語る際、特に名前が挙がるのが、里見浩太朗・伊吹吾郎と、あおい輝彦・伊吹吾郎の2組です。どちらも格さん役が伊吹吾郎である一方、助さん役が変わることで、コンビの雰囲気も変化しました。
里見浩太朗×伊吹吾郎:落ち着きと力強さが際立つ組み合わせ
里見浩太朗が助さんを演じ、伊吹吾郎が格さんを務めたのは、第14部から第17部までです。里見は第3部から助さんを演じていましたが、伊吹との共演は第14部から始まりました。
里見の助さんは、洗練された身のこなしや余裕のある立ち居振る舞いが印象的です。一方、伊吹の格さんは、実直さと力強さを感じさせる存在。異なる持ち味が組み合わさることで、旅の途中の軽妙な掛け合いから悪党との対決まで、安定感のあるコンビが生まれました。
この組み合わせを評価するなら、長年培われた里見の助さん像と、格さん役として存在感を確立していく伊吹の演技が重なる時期だった点が見どころです。
あおい輝彦×伊吹吾郎:長期共演が生んだ定番コンビ
第18部から第28部までは、助さんがあおい輝彦、格さんが伊吹吾郎という組み合わせになりました。1988年から2000年まで、11シリーズにわたって続いたコンビです。
この交代では、キャストだけでなく役柄の設定も変わっています。TBSチャンネルの第18部の番組情報によると、里見版の助さんが既婚者だったのに対し、あおい版では独身の設定に変更されました。これにより、物語の展開にも新しい方向性が加わりました。
あおい輝彦の軽快さや親しみやすさと、伊吹吾郎の落ち着いた格さん像は、対照的な魅力を持っています。第18部の主題歌「あゝ人生に涙あり」も、TBSの番組情報ではあおい輝彦・伊吹吾郎の歌唱として記録されています。
出演期間の長さを基準にするなら、あおい・伊吹のコンビが有力です。一方、里見・伊吹のコンビには、長年親しまれた里見の助さん像と伊吹の格さん像が交差する時期ならではの魅力があります。
つまり、「最強コンビ」に公式な順位があるわけではありません。長期共演を重視するならあおい・伊吹、落ち着いた時代劇らしい掛け合いを好むなら里見・伊吹というように、評価するポイントによって答えは変わります。
【最長出演記録】伊吹吾郎の17年間と「735話」の数字を検証
格さん役の長期出演者として、特に注目されるのが伊吹吾郎です。第14部から第28部まで出演し、1983年から2000年にかけて約17年間、渥美格之進を演じました。
ただし、出演年数と出演話数は分けて考える必要があります。ネット上では「17年間・735話」と紹介されることがありますが、TBSテレビの「放送1200回&里見浩太朗出演700回記念スペシャル企画」に掲載されたレギュラー出演回数ランキングでは、伊吹吾郎は529回と記録されています。
同ランキングは、1969年8月4日の第1話から2011年2月7日放送の第1200話までを対象に集計したものです。そのため、TBS公式のレギュラー出演回数として紹介する場合は529回を採用するのが適切です。「735話」という数字を同じ集計基準による確定記録として扱うことはできません。
同じランキングでは、助さんと黄門様を演じた里見浩太朗が合計697回、助さん役のあおい輝彦が385回と掲載されています。里見の697回は助さん役と黄門様役を合わせた数字なので、助さんだけの出演回数と混同しないことも大切です。
なお、シリーズ全体で最多のレギュラー出演回数を記録したのは、うっかり八兵衛役の高橋元太郎で870回です。助さん・格さんだけでなく脇を固める人物も長寿シリーズを支えてきたことが、数字からも伝わります。
伊吹吾郎の記録の価値は、単に出演回数が多いことだけではありません。主要キャストが交代していくなかで、15部にわたって同じ役を演じ、格さんのイメージを長期にわたって維持した点にあります。
【降板理由】歴代キャストはなぜ交代したのか
「助さん格さん降板理由」を調べると、俳優個人の事情や制作側の判断など、さまざまな説明を見かけます。しかし、歴代の交代をすべて同じ理由で説明することはできません。
TBSのシリーズ史から明確に読み取れるのは、各部の節目でキャストが交代し、作品の設定や演出も更新されてきたことです。すべての俳優に共通する単一の降板理由が公式に発表されているわけではありません。
第18部では助さんの設定そのものが変化
里見浩太朗からあおい輝彦への交代は、単なる俳優変更にとどまりませんでした。第18部では助さんが独身という設定に変わり、物語の展開にも影響が及んでいます。配役変更が、シリーズを新鮮に見せるための作品上の更新と結びついていたことが分かる例です。
第29部・第32部では主要キャストを刷新
第29部では石坂浩二が4代目黄門様となり、助さんに岸本祐二、格さんに山田純大が起用されました。その後、第31部で里見浩太朗が黄門様役に就き、第32部からは助さんが原田龍二、格さんが合田雅吏に交代しています。
こうした交代はシリーズの大きな改編と重なっています。俳優の降板を語るときは、役者個人の事情と、番組全体のキャスト刷新を分けて考える必要があります。
第42部では原点回帰を掲げた新コンビが誕生
2010年の第42部では、助さんに東幹久、格さんに的場浩司が起用されました。TBSチャンネルの番組情報では、このシリーズについて、黄門様と助さん・格さんの出会いや初めての旅立ちなどを改めて描く「原点に立ち返った番組作り」がテーマとして紹介されています。
そして2011年12月19日、地上波レギュラー版は第43部の最終回スペシャルをもって幕を閉じました。ここで区別したいのは、個々の俳優の降板と、番組自体のレギュラー放送終了は別の出来事だという点です。
病気、不仲、不祥事などの特定の事情を、裏付けのないまま歴代キャスト全員の交代理由に結びつけるのは適切ではありません。公表された番組史から分かるのは、長期シリーズのなかで配役と役柄が段階的に更新されてきたということです。
【2026年最新】歴代俳優の現在とBS-TBS版の新しい助さん格さん
2026年10月時点の最新動向として注目されるのが、BS-TBSによる新作スペシャルの発表です。BS-TBSは2026年10月7日、「水戸黄門スペシャル〜岡崎・尾張〜」を12月に放送すると発表しました。
水戸光圀役は武田鉄矢、助さん役は財木琢磨、格さん役は荒井敦史です。篠田麻里子が詩乃役、津田寛治が風車の弥七役を続投し、袴田吉彦も柳沢吉保役で出演します。具体的な放送日時や追加キャストについては、発表時点では続報待ちとなっています。
財木琢磨と荒井敦史は、2017年にBS-TBSで放送された新シリーズでも助さん・格さんを担当しました。2017年版は武田鉄矢を黄門様に迎え、地上波版とは異なる新しいキャストでスタートした作品です。
そのため、歴代キャストを調べる際には、次の2つを区別すると混乱しません。
- 1969〜2011年のTBS地上波レギュラー版:助さん6人、格さん6人。
- BS-TBS版・スペシャル:財木琢磨、荒井敦史らが加わり、シリーズの新しい配役を担っている。
「助さん格さん歴代俳優は各6人」という情報は、地上波レギュラー版を対象にした場合の整理です。シリーズ全体の歴史を語るときは、2017年のBS版や2025年・2026年のスペシャルも視野に入れる必要があります。
また、歴代俳優の「現在」を知りたい場合、出演期間と現在の活動状況は別の情報です。過去に役を降りたことが、そのまま俳優活動の終了を意味するわけではありません。個々の俳優の近況は、それぞれの公式プロフィールや所属事務所の発表などで確認するのが適切です。
【助さん格さん歴代】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:助さんと格さんを最も長く演じた俳優は誰ですか? A1:格さん役では伊吹吾郎が第14部から第28部まで出演し、1983〜2000年にわたる約17年間の長期出演を記録しています。TBS公式のレギュラー出演回数ランキングでは529回です。
Q2:里見浩太朗と伊吹吾郎、あおい輝彦と伊吹吾郎では、どちらのコンビが長いですか? A2:里見浩太朗・伊吹吾郎は第14〜17部、あおい輝彦・伊吹吾郎は第18〜28部の組み合わせです。担当部数で比べると、あおい・伊吹のコンビのほうが長く、11シリーズにわたって共演しました。
Q3:2026年現在、新しい助さん・格さんを演じる俳優は誰ですか? A3:BS-TBSが2026年12月放送予定の新作スペシャルで発表した配役は、助さん役の財木琢磨と格さん役の荒井敦史です。これは1969〜2011年の地上波レギュラー版の6人ずつという集計とは別に扱われます。
まとめ:【プロの結論】最強コンビは出演期間と役柄の相性で見る
助さん格さんの歴代俳優を整理すると、TBS地上波レギュラー版では助さんが杉良太郎、里見浩太朗、あおい輝彦、岸本祐二、原田龍二、東幹久の6人。格さんは横内正、大和田伸也、伊吹吾郎、山田純大、合田雅吏、的場浩司の6人です。
歴代キャストの比較で特に重要なのは、俳優の知名度だけで優劣を決めないことです。担当した部数や出演期間、役柄の設定、相手役との掛け合いを合わせて見ることで、それぞれのコンビの魅力が分かります。
長期共演という基準なら、あおい輝彦・伊吹吾郎のコンビは外せません。里見浩太朗・伊吹吾郎の組み合わせも、里見の助さん像と伊吹の格さん像が交差する重要な時期を担いました。そして、伊吹吾郎の17年間という出演歴は、同じ役を長期シリーズのなかで演じ続けることの意味を示しています。
2026年にはBS-TBSで新作スペシャルの放送も予定され、財木琢磨・荒井敦史の助さん格さんが再び登場します。歴代の名コンビを振り返るときは、長年受け継がれてきた地上波版の系譜と、新しい作品で更新される配役の両方に注目することで、『水戸黄門』というシリーズの奥行きをより深く楽しめます。